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中堂 系side
目の前で手際良く器具を洗浄し、片付けている女に問う
「お前まさか、俺とお前の事件が重なっているとでも思っているのか?」
下を向いていた長いまつ毛が、問いに小さく揺れた
「・・・事件って、なんのことでしょう」
目の前の蛇口を捻り、シャワーを止めた
「分かっているだろう、
知らばっくれるな」
お前の・・・
「母親のことですか?
あれは、世間一般には別の形で広まっているはずですけれど・・・」
手に持つシャワーの柄を静かにもとあった壁に戻す女
その言葉を聞いた瞬間、
しまった、
そう思った
「何故?
中堂さん、
どうしてあなたは
あの日起きたことを知っているの?」
上げた顔、
眉は切なげに歪み、
瞳は悲しい色を帯びていた
「いや、それは・・・、」
誤魔化そうとしても、
もう遅い
「母の解剖記録は、どこへ消えたんですか?」
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作者名:抹茶金時 | 作成日時:2018年2月3日 12時