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ラボをあとにする頃には辺りは暗くなっていた





「A、何を話していたんですか?」




「・・・いえ、大したことではありません」





信号の待ち時間、静かな声に右を向く





赤い光に、外したサングラスが胸ポケットで照らされている




「そうですか、」



言ったと思うと、先輩は車道を逸れて車を停めた





「っ!!なにするっ!」




突然顔を掴まれ、頬に手袋の感触が食い込んだ




痛い





反抗しようとするけれど、


目の前でギラギラと光るように見える瞳に、頭が真っ白になった






もう片方の手で髪を撫でられ、





片方だけ跳ね上がった口元が子供に言い聞かせるようにしっとりと言葉を紡ぐ





「こんなに大切に大切にしているのに、





貴女は一向に大人しくいてくれない





少しも知らないでいて欲しいとまではいわないでおいていますが、




・・・今日のように隠し事をするなら





話は別です」





さぁ、教えて下さい









視界が滲んできた





髪を撫ぜられ、鳥肌が立つ






でも、




「・・・嫌です、教えません」





自分の過去を知りたくて、なぜ悪いの




どうして、こんなことをするの





何より、




「貴方は、



南雲さんは、



私を力で従わせない人だと思っています





・・・信じています」

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作者名:抹茶金時 | 作成日時:2018年2月3日 12時

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