8 ページ25
・
でもそんな時も、1時間ほど経てば
残りの花火は細い線香花火だけになり、あっという間に静かになってしまって。
『明日、優斗くん達帰っちゃうもんね』
どっちが落とさずにいられるか、なんていう
小学生のような小さな戦いを始めた。
だけど
君が切ないそうにそんなことを言ってくるから
思わず、線香花火を落としそうになってしまった
俺は、ううんっと咳払いをして
線香花火から目を離し、彼女を見つめる
「また来るよ、絶対」
『えー？そうやって、結局逢いに来てくれなかったじゃん』
「今度は本当だよ」
あんなちっぽけな約束じゃない
今度は、本気の約束だ
「じゃあさ、俺も逢いに来るから
Aちゃんも俺に逢いに来て、？」
だって君に会う回数は、
年に1度や2度じゃ足りないから。
毎月…毎週…
いや、毎日会いたいぐらいなのに
『逢いに行っても、いいの……？』
「うん。いつでも待ってる」
『へへっ、すごく嬉しい』
俺の視線には気が付かないAちゃんは
儚く灯る線香花火を見ながらふわっと微笑む
そんな反応を取られてしまっては
俺だって期待しちゃうよ、？
正直なところ、恋愛経験ほとんど皆無な俺には
告白のイイタイミングなんて知らない
「好きだよ、A」
だけど、今伝えたくなったから。
目をまん丸にさせる彼女を他所に、
俺はAちゃんが座っている所の後ろに手をついて
グイッと身体を彼女の方へ寄せる
貴方に南風が吹いて、
頬を撫でられながらこちらを見つめるその姿は
同い歳とは思えないほど、とても色っぽい、
『優斗、くん、』
そしてふたりの影が合わさる時。
君が持っていた線香花火は、
砂浜に落ちて美しく消えていった
-fin-
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 745人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みーま(プロフ) - 最後においシャンの歌詞でてきてやられました……🤦♀️作ちゃんの良さめちゃくちゃ詰まってます！！ありがとうございます！！！ (7月27日 14時) (
レス) @page41 id: e266a86186 (このIDを非表示/違反報告)
hiレベルな小５ - こんな素敵なお話ありがとうございました！ (2020年2月17日 18時) (レス) id: 62d5677c5a (このIDを非表示/違反報告)
ちゅっきー(プロフ) - ハヤテさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！^ - ^ (2019年8月26日 2時) (レス) id: c0a7664ca3 (このIDを非表示/違反報告)
ハヤテ - 面白かったです！《*≧∀≦》私の暇な夏休みにぴったりなお話でした！ (2019年8月22日 19時) (レス) id: ef8049b1e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はいはいこらぼ
x他2人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=blueao5&scr=novel/jeyuto01...
作成日時：2019年8月13日 22時
