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午後8時。
浜辺にいるのはチャラチャラした大学生の集団や、お熱いカップルばかり。
閉店作業をしていると、ガリさんに呼ばれる。
「なに?」
「瑞稀くんさ、あのお姉さんのこと気になってるんでしょ」
「……は?」
「そういえばなんだけどさ、あのお姉さん忘れ物してるんだよねー」
「何を?」
「け、い、た、い!」
携帯は最近の若者にとって生活に欠かせないものである。
無ければ不便でしかないし、絶対に届けてあげなくては…。
「ん、でも、どうやって渡すの?」
「……交番かな?」
「この役立たず、」
「うるせえわ(笑)」
(トゥルルルル)
「はい、」
はしもっちゃんの叔父さんが電話をとる。
「ああ!お忘れ物ですね!」
忘れ物、と聞いて俺の手の中にある携帯を強く握る。
「今から取りにいらっしゃりますか?」
今からあのお姉さんに会えるかもしれない。
そう思うだけでなぜか疲れが吹っ飛んで。
「A様ですね、了解です」
電話が切られる。
あのお姉さん、Aさんって言うんだ…。
『…っ!すみません!Aです…』
「Aさん、お待ちしておりました」
「瑞稀くーん、今閉店作業してるから外でやった方がいいかもー」
ガリさんに促されて2人で外に出る。
「えっと、これ、Aさんの携帯です…」
『ありがとうございます…』
なんだか流れる空気がぎこちなくて。
『あ、もう用事終わったんで帰りますね!』
「は、はい!」
『本当にありがとうございました』
だんだんと小さくなっていく後ろ姿。
気がつくと足が動いていた。
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みーま(プロフ) - 最後においシャンの歌詞でてきてやられました……🤦♀️作ちゃんの良さめちゃくちゃ詰まってます!!ありがとうございます!!! (7月27日 14時) (レス) @page41 id: e266a86186 (このIDを非表示/違反報告)
hiレベルな小5 - こんな素敵なお話ありがとうございました! (2020年2月17日 18時) (レス) id: 62d5677c5a (このIDを非表示/違反報告)
ちゅっきー(プロフ) - ハヤテさん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!^ - ^ (2019年8月26日 2時) (レス) id: c0a7664ca3 (このIDを非表示/違反報告)
ハヤテ - 面白かったです!《*≧∀≦》私の暇な夏休みにぴったりなお話でした! (2019年8月22日 19時) (レス) id: ef8049b1e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はいはいこらぼ x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=blueao5&scr=novel/jeyuto01...
作成日時:2019年8月13日 22時