兄妹恋愛禁止法 3 (ページ9)

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2人は無言のまま、

普段の帰宅路にひたすら足を進める

でも、寂しいと思わないのは

彼の暖かい手が私のを包んでくれているから。

家に着いて、リビングを通らずに

何も言わないままお兄ちゃんの部屋に連れていかれる

ガチャっと

優しくドアが閉められて

そこはもう

私と彼の、ふたりっきりになった

「お兄ちゃん、？」

龍斗「ん？」

重たそうなカバンを置きながら

目線だけこちらに向ける彼

「……私の事、避けてた、でしょ、？」

改めて貴方の顔をみると

ずっと溜めていた気持ちが溢れ出して

涙が、出てきそうになってしまう、、。

龍斗「うん、避けてた」

「、、、だよね、」

……ああ、

やっぱり

これ以上聞きたくない、

もう耳を塞ぎたくなって

いいよ、もう喋らないで、！って言いたくなって。

でも、

心のどこかに、どこか気になっている気持ちもあって。

お兄ちゃんから出る言葉を、

息を呑むようにして待っている自分がいた

私も鞄を置いて、

彼の方を見る

そしたら、

こちらへ君の手が伸びてきて

反射的に、私は目をぎゅっと瞑ってしまった

龍斗「でもAのことが嫌いになったとか、
そういう訳じゃないよ」

なのに、。

その手は、いつもの様に私の頭の上で上下に動く

「え、？」

龍斗「……聞いちゃったんだ、父さんから」

「聞いちゃったって、何を、？」

思わぬ答えに

お兄ちゃんの表情を覗くと

苦しそうな顔をする彼

龍斗「あの日……。
Aの本当のお父さんに初めて会った日、」

こんなお兄ちゃん、初めて見た、。

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