子狐と鬼灯様の想い。 ページ45
地面に座り込んでいるAは
｢鬼灯様はそんなに言うのが嫌なんですか？｣
泣きそうに涙目で訴えかける。
そんなAに鬼灯は
｢あんな大衆の前で言うわけないでしょうが。
どこの青春番組ですか。
第一、あそこで言ったりしたら痛い上に大事故ですよ。
後々冷静になって恥ずかしくなるのは貴女です。
むしろ心の傷が深くなる前に止めた事をありがたく思ってほしい｣
冷静な目で語り、Aは｢うっ…｣と言葉に詰まる。
実際に後々この件はAの中で黒歴史と化していくことになるのだ。
結局また言ってもらえなかったと俯いているAに
｢Aさん｣
と鬼灯は声をかける。
｢不安にさせてすみません。ですが、お願いですから無茶をしないで下さい。
貴女は本当に心臓に悪くて私を飽きさせない。
きっと、私はもう貴女以外の方では物足りなくなる｣
鬼灯の手はAの小さな手をとって
優しく包み込む。
｢貴女が思ってるよりも
私は貴女を1人の女性として愛してるんです｣
｢うわあああああああああん！！！｣
二人が何を話しているのか聞こえなかった皆は
突然Aが大声を出して泣き始めた事に驚いた。
｢え、何…？大丈夫…？｣
｢あれは大丈夫みたいだな｣
心配するシロに白澤はやれやれと苦笑する。
びえええええと泣くAと向かいに座る鬼灯に義経が
｢あのー…｣
と話しかけた。
｢Aさんが騒いでる間に中華地獄の警察が容疑者達を確保したみたいなので、
落ち着いたら事情聴取でAさんに署へ同行お願いします｣
義経の背後には中華地獄の警察に掴まった浩然達が連行されていく所であり、
視線に気づいた浩然達が振り向くと
どす黒く、凶悪なオーラを発する鬼灯に身の危険を感じてそそくさの警察と一緒に行ってしまった。
｢チッ…仕留め損ねた｣
と洩らす鬼灯に義経はもっと大惨事になっていたかもしれないと乾いた笑いが出る。
｢わあああああああ！｣
泣きじゃくるAに勢いよく抱きつかれ、
まあ、いいかと背中をさすった。
夜、自室に早くに戻った鬼灯は
部屋の扉をノックする音と
｢Aです｣
というAの来訪に扉を開けた。
｢中華地獄警察の事情聴取は終わったんですか？｣
｢はい。後日烏天狗警察の方にも事情聴取に行きますが｣
｢もう少し鬼灯様と話したくて｣とAに言われ、鬼灯は部屋の中へと通した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 237人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼灯の冷徹」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鈴(プロフ) - ネコさん» コメントありがとうございます。アニメすごく面白いですよね。漫画もオススメです。無理しないように頑張ります。 (2020年9月8日 2時) (
レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - 最近Abemaで鬼灯を見始めてからハマってます（笑）応援してます！鈴さんのペースで更新頑張ってくださいね。 (2020年9月4日 18時) (レス) id: f7821a3b7d (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 櫻駄ミズキさん» コメントありがとうございます。頑張ります！ (2020年9月2日 7時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
櫻駄ミズキ(プロフ) - めっちゃ好きです…！！応援してます(о´∀`о) (2020年9月1日 17時) (レス) id: 441661fb12 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - レノン・リーシュナさん» コメントありがとうございます。両作品とも拝見した事のない作品なので、検討という形にさせて頂きます。すみませんでした。 (2020年9月1日 7時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：十五
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時：2020年7月27日 0時
