【鬼灯の冷徹】子狐こんこん肆

子狐、子沢山パパに会いました。 ページ26

仕事終わり、Aがいつもの様に鬼灯の元へ訪れると、

｢丙ねーパパが大好きなんだー｣

鬼灯はおらず、座敷童子達と変成庁の補佐官の孫娘の苺々子と、首に布を纏った女の子が遊んでいた。


｢あ、A｣

｢お仕事終わったの？｣

｢うん。その子は？｣


可愛らしい顔立ちのその子はニコリと愛くるしい笑顔を浮かべ、｢丙です｣と伝えた。

丁度鬼灯と茄子、唐瓜が戻って来て

珍しく白澤も一緒におり、更には厚着をしている男性もいた。


｢あ、Aだ｣

｢仕事が終わったんですか？｣

｢はい｣

鬼灯はすぐに厚着をしている男性を紹介する。

｢こちらの方、平等庁の補佐官の弟切さんです｣

｢初めまして。子供が沢山いる方ですよね｣

｢ご存知だったんですか｣

｢鬼灯様から全ての庁と補佐官さん方の話は聞いてます｣


弟切は生前忍者で容姿端麗さを生かした諜報の活動の末子供が沢山おり、その子達を育てていると聞いていた。

鬼灯は今度はAを弟切へと紹介する。

｢こちら婚約者のAさんです。彼女には私の仕事上もしもの為に話はしているんです｣

｢この方が噂の｣

｢婚約者って言っても祝言の予定はまだ未定だけどねー｣

話に割って入ってきた白澤を投げ飛ばし、鬼灯は話を続ける。

｢だから娘さんが絡む度に睨まないで下さい｣

｢いや〜つい…｣

｢ちなみに、Aさんは白澤さんの所の子です｣

｢あっ！もしかして一時期隠し子で噂があった｣

｢Aさんは覚えてるかわからないですが、一度弟切さんの一部の子供達に遊んでもらった事もあるんですよ｣

｢あっ！覚えてますよ｣

すかさず復活した白澤が｢ならこんちゃん経由から娘ちゃん紹介してよ！｣とのたまわり、

すぐに白澤に弟切のクナイが刺さって倒れた。


｢弟切さんは子供ラブです｣

｢身内が本当にすみません……｣


呆れた唐瓜が

｢もしもAに女や金にだらしない人が近づくのを考えてみたらどうですか｣

少し考えた白澤は｢絶対やだ｣と答える。

｢なら弟切さんの気持ちがわかるでしょ｣


｢それはそれ。これはこれ｣


白澤の態度に茄子は｢清々しい程の屑｣と小声で呟いた。


突然弟切の携帯が鳴り、電話の対応をした弟切が

｢すみません…今急用で呼ばれまして…もう少し丙を預かって貰えますか｣

と申し訳なさそうに告げる。

｢困りましたね。私もこの後別の仕事の予定が…茄子さんと唐瓜さんも仕事が残ってますし｣



｢あの…私丙ちゃん見てますよ｣

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