狐と鬼と鬼狩り。弐 コラボ番外編 ページ20
「ん……」
Aが目を覚ますと知らない洞窟の中で横たわっていた。
時間が経つと共に自分が木の上へと落ちて勢いが弱まり、それから地面へと叩きつけられて気を失っていたことを思い出した。
それと同時に近くで刃物を研ぐような音が聞こえ、
そちらを見ると人間とは思えない身体の形をした生き物が背を向けて大きな包丁を研いでいた。
「偶然とは言え珍しい物が手に入った。
まずは皮を剥いで身を刺身にしようか。
内蔵は炙って食べよう。骨はスープにして出汁をとって…」
ブツブツと聞こえる内容にもしや自分は調理されて食べられるのではないかと恐怖が湧き、
逃げようと足音をたてないように出口へと向かった。
あと少しで外に出れるという時、洞窟の天井から垂れた雫がAの首筋へと落ちる。
「きゃっ!」
思わず声を出してしまい慌てて口を塞ぐがもう遅い。
「どこに行こうとする!!」
怒りの声と共に飛んできた包丁にAは瞬時に頭を下げて避け、
包丁は頭があった位置の壁へと刺さっていた。
「女の子…ですか?」
「狐の耳と尻尾があると思うのですが」
「それよりお前は何だ!!俺達が追ってる鬼なんだろ!!」
伊之助の言葉に鬼灯は
「鬼は鬼なんですが、別の次元から来たと言いますか…」
どう説明しようかと迷っていた。
恐らく少年達の目的と自分が間違われていると気づいており、
別の次元から来たと説明しても信じて貰えるかわからない。
「たぶんこの人は俺達が追ってる鬼じゃない。
匂いが違う。それに攻撃してこようとする匂いもしない」
だけど……強い怨念がある匂い。
妙な存在である鬼灯へ炭治郎も少し気になっていた。
「女の子って…女の子がこの森の中にいるの!?」
『女の子』というワードに反応した善逸の目の色が変わり、
先程とは明らかに違うやる気を見せていた。
「私の婚約者なんです」
その言葉に次の瞬間から「あ、そう」と急にやる気を失い、
「わかりやすいというか、単純ですね」
鬼灯にそう言われ、炭治郎は「すみません…」と申し訳なさそうに謝った。
「貴方達が言う鬼とは何ですか?」
鬼灯の質問に善逸は「知らないの!?」と驚いた声を上げた。
炭治郎が説明しようとした時、動きが止まり
「来る…しかも匂いが二つ」
それに善逸も耳を澄ませ、何かがこちらへと近づいてくる事も知らせた。
「大きな足音と、小さな軽い足音。そして悲鳴が聞こえる」
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鈴(プロフ) - ネコさん» コメントありがとうございます。アニメすごく面白いですよね。漫画もオススメです。無理しないように頑張ります。 (2020年9月8日 2時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - 最近Abemaで鬼灯を見始めてからハマってます(笑)応援してます!鈴さんのペースで更新頑張ってくださいね。 (2020年9月4日 18時) (レス) id: f7821a3b7d (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 櫻駄ミズキさん» コメントありがとうございます。頑張ります! (2020年9月2日 7時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
櫻駄ミズキ(プロフ) - めっちゃ好きです…!!応援してます(о´∀`о) (2020年9月1日 17時) (レス) id: 441661fb12 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - レノン・リーシュナさん» コメントありがとうございます。両作品とも拝見した事のない作品なので、検討という形にさせて頂きます。すみませんでした。 (2020年9月1日 7時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時:2020年7月27日 0時