【鬼灯の冷徹】子狐こんこん肆

子狐とサタン様は初対面です。 ページ17

昼休み間近、来訪していたリリスにAは

折角なので他と約束がないなら一緒に外にご飯に行こうと誘われ

二人は昼休みの時間、外のお店へと出かけた。


｢実は行ってみたいお店があったのよ｣

｢へ〜。今日はどうしたんですか？｣

｢サタン様がチャイニーズエンジェル？っていうアニメの朱色のモデルになった子に会いたいんですって｣


そのモデルに心当たりがあるAは｢あ〜｣と納得の声をだした。

｢海外にも人気なんですね｣

｢そうみたいね。鬼灯様が案内してるんじゃないかしら｣


目的のお店についた二人は案内された席に通され、

メニューを開く。

｢誘ったのは私だし奢るわよ。旦那のカードあるし｣

｢やった｣

並ぶ料理の写真からAはハンバーグプレートを選び、リリスも食べたい料理を決めて注文した。

先に運ばれたセットドリンクを飲みながら二人は料理を待つ。


｢そういえば私サタン様に会った事ないんですよね。

ベルゼブブさんには昔少しだけ会った事ありますけど｣

｢あら？会った事なかったっけ？｣

｢はい。いつかは挨拶した方がいいと思うんですけど

鬼灯様は会わなくていいって言うんです｣

｢あー…そうなの｣



まあ、あの趣味あったらねぇ…


とリリスは思いながら自分のアイスコーヒーを飲んだ。









昼食後、Aはリリスにお礼を言い

二人は閻魔殿へと戻る。


｢リリス｣

丁度閻魔殿に戻ってきていたベルゼブブがリリスへと声をかけた。

｢あら、お戻りになったの？｣

｢ああ｣

ベルゼブブとリリスの夫婦の雰囲気にAは自分も早くあんな感じになりたいと思った時、

ベルゼブブの背後の角が生えた大きな男が気になった。


｢もしやあれがサタン様…！｣

Aは鬼灯が先に止めようとするのも気づかず

サタンへと近づいた。


｢お初にお目にかかります。

私、鬼灯様の婚約者のAと申します。

今後ともよろしくお願いします｣


Aは丁寧お辞儀をして挨拶をすると

サタンの表情がキラキラと輝いていた。


｢ケモ耳！チャイナ服！

あああ！他にもドレスとか着せてみたい〜｣

一人悶えるサタンにAは顔を引き攣らせ、

サタンが詰め寄ろうとした時

鬼灯が飛んできてすぐにAを背後へと隠した。



｢チッ…だから会わせたくなかったんですよ｣



舌打ちした鬼灯の呟きが聞こえたAは

さっきまでとは違うサタンの雰囲気と自分へ向ける鳥肌が立つ視線に妙に納得した。

子狐と衣装。→←子狐と地獄フェスティバル。後篇

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す