子狐、男の子と遊びました。番外編 ページ13
Aが小さい頃の話。
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岩の上で目が覚めたAは自分はお昼寝をしていたのだと伸びをし、
目の前の川で水を飲んで喉を潤わせた。
辺りを見渡せば見覚えのない場所でいつの間にここへ来たのだろうかと考えるがわからない。
「あまり川へ近づくと落ちますよ」
声をかけられ振り返ればこれまた見知らぬ男の子。
Aに声をかけたその子は持っていた道具を準備し始めた。
「何してるの?」
「魚を獲るんです」
男の子の隣で魚を獲る様子を眺め、魚が獲れたらパチパチと拍手をした。
数匹魚を確保して撤収する男の子は着いてくるAが気になったのか振り返る。
「何で着いて来るんです」
「どこ行くの?」
「帰るんですよ」
「遊びに行ってもいい?」
「面白い物はないですが」
Aは男の子にとある洞窟へと案内され、
この洞窟が家だと男の子は告げ、中を覗けば確かに生活をしているような空間であった。
虫かごも並んでおり、多種多様の虫が入っている。
「沢山いるね」
「それはこの前捕まえたやつで、こっちは向こうの山で…」
虫の話を振れば男の子はキラキラと目を輝かせて捕まえた虫の説明を始める。
うんうん。と話を聞くAも興味を持ち捕まえに行きたいと伝えた。
「今度一緒に行きましょう」
「約束ね」
一つの約束を交わし、Aはふと気になった事を聞いた。
「家族はいないの?」
「いません。ずっと前から」
Aは「ふーん」と近くに置いてあった道具を手に取って扱ってみる。
「家族って血の繋がりだけじゃないんだって
Aの家族もね、本当の親じゃないけど大好きなんだ」
Aは男の子に近づいて自分より少しだけ大きな手を取って自分の手と繋いだ。
男の子の手にAの温度が伝わっていく。
「Aが家族になるよ」
「家族…」
男の子に抱きつけば土と草と嗅ぎ覚えのある匂いが鼻を掠めた。
「起きろー」
桃太郎の声で目覚めたAは眠そうに目を擦り、
着替えるように促されながら、話かけた。
「虫を捕まえる約束をしてるの」
「へー誰と?」
「…誰だろう」
「起きろ!教え処行くぞ」
朝、烏頭に起こされた鬼灯は眠そうに顔を顰める。
「虫を捕まえる約束があるんですよ」
「誰と?」
「……誰とでしたっけ…?」
思い出せずに頭を傾げる鬼灯に烏頭は夢でも見たんだろと笑い飛ばし、準備をするように急かした。
また、会いましょう。
子狐と地獄フェスティバル。前篇→←子狐と昨日の敵はなんとやら。
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鈴(プロフ) - ネコさん» コメントありがとうございます。アニメすごく面白いですよね。漫画もオススメです。無理しないように頑張ります。 (2020年9月8日 2時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - 最近Abemaで鬼灯を見始めてからハマってます(笑)応援してます!鈴さんのペースで更新頑張ってくださいね。 (2020年9月4日 18時) (レス) id: f7821a3b7d (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 櫻駄ミズキさん» コメントありがとうございます。頑張ります! (2020年9月2日 7時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
櫻駄ミズキ(プロフ) - めっちゃ好きです…!!応援してます(о´∀`о) (2020年9月1日 17時) (レス) id: 441661fb12 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - レノン・リーシュナさん» コメントありがとうございます。両作品とも拝見した事のない作品なので、検討という形にさせて頂きます。すみませんでした。 (2020年9月1日 7時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時:2020年7月27日 0時