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子狐、仲直りしました。 ページ48

自分の理由がくだらない事を自覚しているAは恥ずかしさで顔は真っ赤になり、

自身も熱さでパタパタと顔を手で扇いだ。


「気づかずにすみませんでした。

後で一緒に出店の方に行きましょうか」


鬼灯の誘いにAは顔が赤いまま何度も頷き、尾も盛大に喜びを表している。

傍にいるミキ達は何を見せられているのだろうかと乾いた笑いしか出なかった。

そんな2人の様子に疑問を抱く御前。


「あの2人は仲が悪いんじゃないのか?」

「父上知らないのですか?あの2人は婚約されてるんですよ」

信楽の言葉に御前は「何だと!?」と怒りの声を上げて鬼灯へと詰め寄る。


「くだらないと言って中立の振りをしてお前も狐派なのか!!

この娘のようなひょろっちい方がいいのか!!」

御前の剣幕に狸達は止めに入ろうと必死になり、信楽も「落ち着いて下さい!」と宥めようと試みる。

そんな御前にも鬼灯は心底心外だというように眉間に皺を寄せた。


「狐だとか狸だとか。デブだとかガリだとかどうでもいいんですよ!!

私はAさん派だ!!」


鬼灯の言葉に周りの者が一目見てわかる程Aの機嫌が最高潮に良くなっていくオーラが見えた。


「ならもっと食わせろ!!」

「Aさんは食い意地が張ってる割に胃のキャパが少ないんですから仕方ないでしょ。

健康や生活に支障がなければどんな体型だっていいんです」


信楽とAがそれぞれを引き離そうと奮闘している所を他の取り残された者達は傍観しており、

檎も「本当にあいつらは…」と呆れる横でマキとミキはヒソヒソと会話をしていた。

「鬼灯様ってAちゃんには優しいというか甘いって本当だったんだ」

「信じられなかったけどねー」









救護コーナーの片付けを終えたAはニヤニヤするアヤメに送り出され、

同じくステージの後始末を終えた鬼灯と合流した。


「出店まだ何かありますかね」

「人気なやつはもう売り切れてると思いますが、少しは残ってるんじゃないですか」


Aのお腹がキュ〜っと鳴り、鬼灯は「夕飯食べてないんですか?」と問うと

「準備や打ち合わせで忘れていたんです」

Aは恥ずかしそうに笑い、ビールの出店に目を輝かせて走って行った。


「美味し〜」

ビールとメンチカツを持って幸せそうにするAに鬼灯はたこ焼きも勧めた。

「全部食べ切れないです」

「食べ切れなかったら私が食べます」

それじゃあ遠慮なくとたこ焼きに手を伸ばした。

子狐と鬼灯様のデート。→←子狐と合戦の終わり。



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(プロフ) - とーとばっくさん» 読んでいただき、ありがとうございます。自分のペースで更新頑張りたいと思います。 (2020年7月20日 15時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
とーとばっく - とても面白かったです!これからも無理のない程度に更新頑張ってください!応援してます! (2020年7月20日 6時) (レス) id: 10c7904400 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php  
作成日時:2020年7月2日 3時

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