子狐、怪我をしました。後篇 ページ41
後々Aの怪我がバレた時、自分達も知ってたの知られた場合こちらにもしわ寄せが来ると思い
ルリオ達は先に怪我の件を話しておいたのだ。
「それでな、Aもすごくデート楽しみにしてただけっていうか…」
「そうそう。Aは鬼灯様大好きだからさ」
「あいつも馬鹿じゃないから悪化するような事はしないと思うぜ」
どんどん雲行きが怪しくなる鬼灯の雰囲気を察してか桃太郎ブラザーズ達はあわあわとAのフォローをいれる。
「…事情はわかりました。わざわざありがとうございます。
後はこちらで対処するので」
「…ていう訳です」
座れる場所に移動し、経緯を話す鬼灯。
まさかの裏切りにAは心の中で「もー!」と3匹を恨み、
それもお見通しかのように服を握りしめるAの手に鬼灯は自身の手を重ねた。
「Aさん、私が後々知った時の気持ちを考えたりしなかったのですか?」
「そ、それは…」
「前回、約束をしたのにも関わらず私が遅れてしまったせいでこの様な行動をさせてしまった私も責任を感じています」
「ちがっ…!そんな事言わせるつもりじゃ…ごめんなさい」
落ち込んでいるAの表情にさすがに反省しただろうと俯いている頭に手を置いた。
「デートはAさんの家でも出来ます。
お家デートってのも人気らしいですよ」
「あっ!それなら白澤様が新しい漢方作るって言ってて…」
思わず勢いよく立ち上がったAは一瞬身体がよろけ…
グギィ!
「いっだあああああああ!!!」
通り過ぎる鬼灯達にすれ違った人々はひそひそと注目をする。
その視線にAは恥ずかしくて顔から火が出そうであった。
「あの…もう降ろして下さい…」
「捻挫してた足を更に悪化させた分際で何言ってるんですか」
いわゆるお姫様抱っこで家へ送る鬼灯と、
抱かれるAの捻挫した足は更に頑丈に包帯で固定されている。
「しばらく私が送り迎えします」
「いや!大丈夫です!白澤様に頼みます!」
「尚更行く」
妙な対抗意識を刺激してしまったと後悔しつつ、
周りからの視線から逃れるように鬼灯の肩へ顔を埋めて隠す。
「こういうのも一興ですね」
「とんだ一興です」
✱おまけ✱
「お迎えに上がりました」
朝早く訪れた鬼灯に朝食を食べていたAと
二日酔いで顔を青くしていた白澤は驚いた顔で見つめる。
「本当に来た…」
しばらくお茶を飲みながらAの準備を待つ生活が続いた。
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鈴(プロフ) - とーとばっくさん» 読んでいただき、ありがとうございます。自分のペースで更新頑張りたいと思います。 (2020年7月20日 15時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
とーとばっく - とても面白かったです!これからも無理のない程度に更新頑張ってください!応援してます! (2020年7月20日 6時) (レス) id: 10c7904400 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時:2020年7月2日 3時