子狐予防接種を受けます前篇 番外編 ページ31
Aが2段階前の時。
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カレンダーの予定を見て桃太郎はため息をついた。
振り向く先には朝ごはんを食べているAの姿。
「今日乗り切れば1年は大丈夫!」
「桃タローどこ行くの?」
お出かけすると言われ連れ出されたAは手を引いて歩く桃太郎にそう問う。
「んーシール貰える所だよ」
嘘はついてない。嘘は。と桃太郎は自分にそう言い聞かせ、ある場所へと着いた。
その建物を見たAは全身の毛を逆立たせ、逃げ出そうとしたのを捕まえた。
「ほら、注射終わったらシール貰えるぞ!」
「シールいらないいいい」
着いた建物……病院へと桃太郎はAを抱えて中へと入った。
待合室でふくれっ面のAをしっかりと捕まえて桃太郎は待つ。
「注射打っておかないとまた具合悪くなった時辛いだろ」
「お注射も辛いもん」
2人の前に見覚えのある3人が通った。
「Aさんと桃太郎さん。こんにちは」
鬼灯が双子の座敷童子を連れてそこに立っていたのだ。
「鬼灯さんの所も予防接種ですか?」
「ええ。閻魔大王が受けさせておいた方がいいと言うので」
「シール貰った」
「チャイニーズエンジェルのシールだよ」
座敷童子達にシールを見せられ、
それによりAの気持ちがシールに少し傾きつつある。
「座敷童子達も平気だったんだから、お姉さんのAも注射頑張れるよな」
『お姉さん』魔法の言葉にAの気分も良くなり、
小さく頷いた。
「Aさんは注射が苦手なんですか?」
「そうなんですよ。一回高熱出してから、症状軽くなるなら予防接種受けさせようって昨年行ったら…」
チクッ
『びゃあああああああああ!!!』
『もう終わったから大丈夫だぞ〜!』
『頑張ったこんちゃんにシール貰え…ぐっは!!』
「疲れて眠るまで泣くわ暴れるわで…
今年は仕事があるからと白澤様には逃げられるし」
遠い目をして語る桃太郎に鬼灯は「大変ですね」と相槌を打った。
座敷童子と遊んで気を紛らわせていたAも自分の順番が近づいてくるの再び不安そうに震え出す。
そんなAを宥めていた桃太郎は尿意を感じ、トイレに行こうと立ち上がった。
「た、桃タロー…」
「すぐ戻ってくるから大丈夫!」
「私見てますよ」
桃太郎が離れ、Aは近くにいる鬼灯へと擦り寄る。
そして腕と脇腹の間に自分の顔を突っ込んで隠してた。
「動物病院でたまに見かける光景ですね」
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鈴(プロフ) - とーとばっくさん» 読んでいただき、ありがとうございます。自分のペースで更新頑張りたいと思います。 (2020年7月20日 15時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
とーとばっく - とても面白かったです!これからも無理のない程度に更新頑張ってください!応援してます! (2020年7月20日 6時) (レス) id: 10c7904400 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時:2020年7月2日 3時