子狐の様子がおかしいです。 ページ21
「A−!」
昼休みの食堂でAを見かけたシロ達は声をかけて駆け寄ると
「何?」と満面の笑顔で振り向いたAに顔を引きつらせた。
「なんか…やけに笑顔に力が入ってるな」
「後で桃太郎と鬼退治に行くんだよー」
「そうなんだ」
シロの話を聞く間も一切笑顔を崩さないAに3匹は不気味ささえ感じる。
アヤメに呼ばれたAは「それじゃあね」と言って別れ、
3匹も気にはなったが鬼灯に呼ばれた為すぐにそちらの方へと向かった。
「鬼灯様ってAのことどう思っているの?」
瘟鬼退治の帰りにシロは突然鬼灯にAのことを質問し、
唐突さに桃太郎達は驚いたが気にはなっていたのことなので唾を飲んで返答を待つ。
「そうですね。元々地頭がいいというか利口な方なので、
地獄のどこの部署に行っても上に昇れると思っています」
まさかの仕事方面の話に他は転びそうになったが、
今の鬼灯は仕事脳の真っ最中であることを思い出した。
「油揚げの件で思ったのがAさんは貢がれ体質というか…妲己さんが引き抜きたがるのもわかるなと思いまして」
小さい頃から白澤や鬼灯にも色々な物をプレゼントされているのを見てきている桃太郎は
「確かに…」
とAの妙な体質に不憫なのか幸福なのかと心配になった。
「もしも衆合地獄とか他の地獄にどうしても人手が足りなくなった時に
Aを部署移動させるの?」
「いえ、それはないです。彼女はあくまでも薬剤師ですから。
医務室の職員と獄卒は一応別なんですよ。
Aさんが獄卒になりたいと言えば別ですが」
「へー」
「お大事に〜」
一日中笑顔のまま働くAに他の薬剤師達は何かあったのかと
心配になったが聞いても「何もないですよー」と仕事をしまくるAに
これ以上突っ込んでは聞けないと思い、ひっそりと見守っていた。
「ちょっと」
事情を知っているアヤメはそんな様子に見かね、仕事の合間にAを給湯室へと引っ張り込んだ。
「あんたその調子で大丈夫なの?無理してるなら今日の合コン無理に参加しなくてもいいのよ」
「笑顔作ってると気持ちが誤魔化せるし
とにかく仕事していないと思い出しちゃうの。
合コン参加も特に問題がないから大丈夫。次の恋見つけなきゃ」
あははと笑うAに心配になりつつも
「Aが言うなら…」
と身を引いたのだった。
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鈴(プロフ) - とーとばっくさん» 読んでいただき、ありがとうございます。自分のペースで更新頑張りたいと思います。 (2020年7月20日 15時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
とーとばっく - とても面白かったです!これからも無理のない程度に更新頑張ってください!応援してます! (2020年7月20日 6時) (レス) id: 10c7904400 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時:2020年7月2日 3時