検索窓
今日:10 hit、昨日:18 hit、合計:176,353 hit

子狐、知ります。 ページ2

食事を終え、薬も飲んだ鬼灯は再び布団の中へと戻る。

土鍋を片付ける為に部屋に出ようとしたAは

「何か欲しいものありますか?」

と聞くと鬼灯は「閻魔大王に伝えてほしいことがあるのですが」と言うので

その伝言を聞こうとAは耳を澄ませた。



「仕事サボったらすべての刑場を身をもって体験させる。…と」



禍々しいオーラと体調不良の為いつもより格段に目つきが鋭い鬼灯にAは震えあがった。

「では、お願いします」

「は、はい…」









「鬼灯様の見舞い行く」

「元気づける」

「こらこら二人とも」

そう言って鬼灯の部屋に行こうとする座敷童子達を閻魔大王が止める。


「鬼灯くんは体調が悪いんだからそっとしておこうね」

表向きはそう言っているが、内心は



Aちゃんと二人きりにさせて、

弱っている時に世話を焼くことで嫁をとろうと気になってくれるかもしれない。


ぐふふと笑いをこぼす閻魔大王に座敷童子は

「閻魔大王ご機嫌だね」

「鬼灯様いないからかな」

と話す。


「こんちわー。薬の配達に来ました」

桃太郎が薬の配達に訪れ、閻魔大王は「ご苦労様」と快く迎える。

薬を取り出している所へシロ達も来て「桃太郎ー!」と駆け寄ってきた。

「あれ?鬼灯様いないのー?」

鬼灯の不在に気付いたシロが閻魔大王に尋ねると、体調不良で休んでいることを伝えた。

鬼灯の話題にあの件を思い出した桃太郎はシロに耳打ちをする。


「お前、Aの初恋の件誰にも言ってないよな…?」

「え?Aの好きな人が鬼灯様って話?」

シロの高い声は大きく響き、桃太郎は慌てて口を押える。


「バカっ!声がでかいって!」

「むががっー!」

バタバタとする桃太郎とシロの背後に立つとある姿に柿助とルリオは「あ…」と汗を流す。


「桃タロー…」

背後から聞こえた声に桃太郎とシロの体はビクリと跳ね上がり、

振り向いた先にある怒気をまとった表情に一気に汗が噴き出した。


「Aの初恋が鬼灯様なこと俺、これっぽっちも皆に言っちゃったりしてないよ!

 閻魔大王も茄子さんも唐瓜さんもお香姉さんも知ったりしてないよ!」

慌てふためくシロの姿を見ながら

「今全部言っちゃったな…」

とルリオと柿助は顔を覆った。


「桃タローのバカー!!」

顔を真っ赤にして涙目を浮かべるAに桃太郎は

「すまん!!」

と勢いよく土下座した。

子狐、開き直ります。→←子狐、看病します。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (116 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
219人がお気に入り
設定タグ:鬼灯の冷徹 , アニメ , 十五
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - とーとばっくさん» 読んでいただき、ありがとうございます。自分のペースで更新頑張りたいと思います。 (2020年7月20日 15時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
とーとばっく - とても面白かったです!これからも無理のない程度に更新頑張ってください!応援してます! (2020年7月20日 6時) (レス) id: 10c7904400 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php  
作成日時:2020年7月2日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。