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子狐お母さんが気になります。前編 ページ9

「おかあ…さん…」

「お前は…もしかして昔お寺に置きざりにした私の坊や…?」


子供が自分の母親を探す旅をするドラマを観ていたAは立ち尽くす二人をゴクリと見守る。

子供が一歩足を踏み出した所で、部屋の外から桃太郎に「ご飯だよー」と声をかけられ、

Aは慌ててテレビを消した。


「今日の炒め物は少し味付を変えてみたんだけどどうかな」

と向かい側で聞いてくる桃太郎に、Aは「ちょっと香辛料でお鼻痛い」と答えた。

「あちゃー。さすが狐の鼻。俺は嫌いじゃないんだけどな」


店に来る色々な客や地獄、桃源郷、天国を見ているAは自分が桃太郎の娘でも、

桃太郎が自分の生みの母親ではないことはとっくに理解している。

だが、それも今まで特に気にしてはなかった。

しかし小判の取材を受けた際にお父さんとお母さんのことを聞かれて少し気になってきたのだ。

遥かぼんやり記憶にある匂いと温もり。


私のお母さんってどんな人なんだろう…









「で、地獄に来たっちゅーんか」

「うん」

同じく死んだのならこの世界のどこかにいる。

そう思ったAは衆合地獄の店の前の長椅子に座っている檎の所まで訪れていた。

「女の人がここには沢山いるから」

「確かにここは狐の店じゃけど、狐の店はここだけじゃないんよ。他にも何店かあるし

 それに天国にも狐はおるじゃろ」

むぅーッと頬を膨らますAは帰ろうと方向を変える。


そこへスーッと買い物袋を持った一人の女性とすれ違う。

振り返ったAはその女性を追いかけた。

「すいません。遅くなりました」

檎の店から二軒先の店へとその女性は入った。

「お嬢どうしたん」

そう声をかける檎の声が耳に入らないAの意識はその女性の入った店のほうに集中していた。







幼いときに嗅いだ。懐かしい匂いがしたのだ。








「でさー最近観てるドラマの展開がチョー気になってさ」

極楽満月にお客としてきているギャル系の女の子に白澤は

「へーどんなドラマ?」とカウンターから身を乗り出してニコニコを話を聞く。

「捨てられた子供が親を探して旅をするんだけど、子供がようやくお母さんに会えたの」

「感動の再会ってわけだね」





「でもね。お母さん、子供を拒否してその場から逃げちゃったんだよねー」

子狐お母さんが気になります。中編→←子狐取材をされました。後篇



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猫もん - 子狐が座敷童子に嫉妬する話、泣いてしまいました…小さい頃ってこんな感じだったなぁ…と思い出しましたw (2023年1月19日 18時) (レス) @page6 id: ab6da51256 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 褓さん» ありがとうございます。 (2020年6月16日 1時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いえいえ、、!鈴さんのできる範囲でゆっくり更新して下さい!気長に待ってます! (2020年6月10日 22時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 褓さん» コメントありがとうございます。留守にしていてすみません。更新頑張ります(*´∀`) (2020年6月10日 16時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 久しぶりに占ツク開いたらたくさん更新されてて嬉しかったです、、!!これからも更新楽しみにしてます〜!! (2020年6月10日 12時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php  
作成日時:2018年3月7日 0時

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