子狐、現世におでかけします。 後篇＊番外編＊ ページ32
Aと双子がメリーゴーランドに乗っている所を柵の外から大人達は眺める。
「楽しそうだね〜」
ニコニコと白澤が眺める横で桃太郎はAが通る度に手を振り、写真を撮る。
「…ああいうのを取っ手なしにして高速に回転させたら面白そうですよね」
「この人が言うとなんでも本気でやりそうで怖いんだよな…」
「まったく、出かけてる時くらい仕事のこと忘れろよなー」
鬼灯は白澤を持ち上げ、
「では、試しにジェットコースターで安全装置をつけずに乗るとどうなるのかこの白豚で実験してみましょう」
「やめろこのバカ鬼！」
ジェットコースターに向かって振りかぶりそうになった所でメリーゴーランドが終わってA達が降りてきた。
「桃タロー、お腹すいた」
「もうお昼だもんな」
桃太郎達が園内の地図を開いてお店を探している時に
白澤と鬼灯がまた喧嘩を始めた。
案の定白澤がボコボコにされて地面に突っ伏した途端Aの頭からきつねの耳が現れた。
後ろからは尻尾もしっかり現れている。
あまりの事に桃太郎は咄嗟にAを自分の身体で覆って隠した。
「どうして突然…！」
「あ、もしかしてこの豚をボコボコにしたから補助していた妖力が不安定になったんですかね」
「何呑気に言ってるんすか！ここは現世っすよ！」
その時、近くにいた子供が持っていた風船を遊んでいた拍子に過って割ってしまう。
パァーン！！という破裂音にAは驚いて毛を逆立ち、完全な狐の姿に戻って走り出してしまった。
桃太郎はAに手を伸ばしたが
反応が遅れた為捕まえる事ができず、ついには人混みに紛れていなくなってしまった。
周りは突然現れた狐にザワついている。
｢うあああ！こんな人が多い中どうするんすかぁ！！｣
頭を掻きむしり、桃太郎は項垂れる。
｢…仕方ないですね｣
と呟いて鬼灯は歩き出した。
大きな観覧車の脚の影でAは震えていた。
音に驚いて走っている内に皆とはぐれ、
逃げて逃げて辿り着いた場所でじっと隠れている。
｢桃タロー……｣
ふと知っている匂いが漂った。
｢やっと見つけた｣
低い声と大きな手、そしてよく知っている匂い。
その手はAを抱き上げて胸に抱く。
｢鬼灯様…もう帰れないかと思いました…｣
｢覚えておいて下さい。私は貴女を見つけるのが得意なんです。
何処にいても必ず見つけます｣
初めて会った時以上の温かみを胸に感じた。
桃タローや白澤様にも感じた事のない熱。
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猫もん - 子狐が座敷童子に嫉妬する話、泣いてしまいました…小さい頃ってこんな感じだったなぁ…と思い出しましたw (2023年1月19日 18時) (
レス) @page6 id: ab6da51256 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 褓さん» ありがとうございます。 (2020年6月16日 1時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
褓(プロフ) - いえいえ、、！鈴さんのできる範囲でゆっくり更新して下さい！気長に待ってます！ (2020年6月10日 22時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 褓さん» コメントありがとうございます。留守にしていてすみません。更新頑張ります(*´∀｀) (2020年6月10日 16時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
褓(プロフ) - 久しぶりに占ツク開いたらたくさん更新されてて嬉しかったです、、！！これからも更新楽しみにしてます〜！！ (2020年6月10日 12時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十五
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時：2018年3月7日 0時
