孤爪姉のトリセツ【黒尾鉄郎】 (ページ21)

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トリセツ十九ページ21

夜久side

俺らは今、部室の外にいる。

ちなみに周りにいる他の部活のヤツらから凄い目で見られている。

灰羽「ちょ、先輩！割り込まないで下さいよ！」

「先輩だから前で見せろや！」

山本「何すかその理屈」

まだ仁王立ち&正座が続いてる。

「おい、静かにしろよ！何か会話してんぞ！」

皆でドア越しに耳をすませるとAの悲しげな声が聞こえた。

A「私、鉄郎に嫌いって言われてすごく悲しかった…」

「「「「！！」」」」

A……

灰羽「く、黒尾さんんん…！Aさんにそんな事を……！！見損ないました！！」ﾋｿﾋｿ

山本「俺、ちょっと殴ってきます」ｽｯ

犬岡「え、ちょっと先輩！？」ﾋｿﾋｿ

芝山「駄目ですって、堪えて！」ﾋｿﾋｿ

後ろでギャンギャン喚いてるくそ野郎ども。

「黒尾、ちゃんと謝れよ…？」

皆が黒尾の言葉を待ちながら、息を飲む。

その時、奴の口が開いた。

黒尾「す…」

す？

黒尾「す、

すいませんでしたぁぁぁぁぁ！！！！」ｽﾞｼｬｧｧｧ

ええええええぇぇぇ土下座したぁぁぁ！！
床に頭打ったよ！？血出てない！？

いや確かに地に頭つけて謝れよっつったけども！！

マジでやりやがったコイツ！！

黒尾「俺イライラしてたんだ！春高行きたくて早く部活してぇのに部活の時間に限って進路指導の山田が来やがってよぉーこっちとら勉強と両立するって百万回くらい言ったのに考え直せって言いやがっててめぇに何がわかんだよ山田コノヤローー！！！」

「いやほとんど愚痴じゃねぇか」

黒尾「そんな時にAが来て、一緒に帰ろとか赤い顔で誘ってきて何か色々元気になってきたんだけど」

「死ね」

黒尾「でもAが急に避けたり冷たくなったりまぁ冷たいのはいつものことかそこも好きなんだけどしまいには手ぇ繫ぎたくないとか言いやがって、それで俺いじけちゃって…嫌いってゆーのは真っ赤な嘘！！好きです！！もう大好きなんですホントすいませんでした！！」

「長かったなぁ言い訳。惚気とか告白とか混ざってたけどな」

山本「黒尾さん、土下座してまで…！見直しました！」

「いやどこに感激してんのお前。床に向かって謝って惚気て告白してる野郎だぞよく見ろ」

灰羽「Aさん、何て返事するんだろ…」

Aの口からどんな言葉が出てくるかと思いきや

A「許さない」

「「「「え」」」

拒否った…