猫かぶり少女の憂鬱

柄じゃない ページ5

体育は好きでは無い。

でも、このクラスは毎日"体育"をしている。

烏「2人1組でナイフを使った体術練習をする。俺にナイフを当ててみろ！」

この人はスパルタ。スパルタすぎる。

烏間先生の部下に聞いたことがある。

───鬼の教官。と。

前「磯貝！1発かますぜっ」

磯「おうよ！」

勢いよく、クラスの中でもトップクラスな運動神経、

そしてコンビネーションも良い2人が走って行く。

前「当てるだけだろ！楽勝だぜ」

…ダメだろうな。

前原くんがナイフを振りかぶる

烏「太刀筋が甘い！」

…モーションが大きすぎる。

かろうじて体は避けたものの

叩かれた腕からはナイフは吹っ飛んだ。

前「まだだ！磯貝！」

磯「っ！」

気配を消し素早く背後に回りこんでいたようで、

首元を狙う磯貝くん。

…予想はできたけど…

烏「作戦が甘いぞ！」

ノールックで腕を簡単に掴んでしまった。

恐らくこの先の作戦は練ってないだろうから

ここで終わりになるかな。

烏「身体能力、コンビネーションはいいが、俺ごときにナイフを当てれんようじゃやつを殺せないぞ」

ごもっともで。

前「ちぇー、俺らいい線いったと思ったけどなぁ」

磯「作戦がバレバレなんだろ…安直すぎる」

この2人ですら、当てれないのか。

と、クラスがザワついているが、

正直当たり前すぎて、

なんのリアクションもとれなかった。

業「あれ？無表情？皆焦った顔してるのに随分余裕そうだね」

あ「…べつに」

厄介だ。

業「だって皆自分はどうしようって焦ってるじゃん？なのに神楽さん。何も動じていないどころか、他人事のように見てるでしょ？」

あ「他の人がやってるところを見て、学ぶのも必要でしょう。感情に振り回されて何も得ないのは、嫌だもの」

業「フーン…たまに"柄じゃない"こと言うよね」

と言うと、ニンマリ笑った。

…しまった乗せられた！

茅「Aちゃんすごい！そんなこと考えてたんだ！！」

潮「僕も見習わないと…」

前「えっなになにどうしたんだよ」

沈む空気の中、ワイワイ話してる私たちの輪を見て

さっきの2人が駆け寄ってきた。

…ムードメーカー組が来たらますます目立つ…！

ちらりと赤羽くんの方を盗み見ると、

計算通り。と言わんばかりの笑みで返された。

私の考察→←空席のフラグ

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
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