猫かぶり少女の憂鬱

負ける訳には ページ26

中「何だね何だね〜〜〜2人揃ってサボりですか〜〜〜？」

殺せんせーは切り抜けたけど、ややこしいのはクラスメイトだった…

杉「カルマはともかく神楽ちゃんもサボるとはな笑」

女の子達はもう何がなんでも''そっち系''に繋げたいのだろう。

それが女の子の性だと言われれば、確かにそうなんだが…

思ったより、男の子たちの反応は至ってシンプルで

私でもサボるんだ、意外だ！って言う反応が多い

ある意味うちのクラスは混ぜれば平均的な反応かもしれない。両極端だけど。

あ「サボりっていうか…お腹痛くて動くに動けなかったんだよね」

殺せんせーに言ったんだからこっちも合わせとかないと。

茅「えっ大丈夫なの!?」

あ「あー…うん。薬飲んで効いてきた」

苦笑いをしてみれば、女の子は何の薬かは察したらしく、思いのほか信じてくれたみたい。

…嘘だけどね

前「神楽ちゃん大丈夫？次の時間も休んでても…」

岡「そーだぜ？無理しすぎたら良くないって」

あ「お、おん…」

業「…」

すごく優しいよ。なんでだ???

何となく反応に困るんだけど…残り少ない良心がチクリと痛む

あ「ありがと！でももう大丈夫だから。テストの為にも授業はしっかり受けるよ」

とりあえず満面の笑みで、これ以上は言うなと言わんばかりの雰囲気を作って話を終わらせた。

───何よりも、業くんに負ける訳にはいかない




そして殺せんせーが教卓に立ち、言い放つ

殺「さて、始めましょうか」

…何を？

みんな目が点になってる。

殺せんせーの額を見れば、国、数、英…と科目の文字が入ったハチマキ。

殺「学校の中間テストが迫ってきました」

殺「先生の分身が1人ずつマンツーマンで、それぞれの苦手科目を徹底して復習します」

なるほど…これなら、本気を出しやすいかもしれない。

殺せんせーのサポートがあったからこそ、成績が上がったと。

マンツーマンで指導しているから皆自分のことで手一杯のはず。

…今のうちに勉強法について分身している先生に相談してみよう。

殺「神楽さんは苦手科目と言うと英語でしょうか？」

あ「…殺せんせー。私、やっと本気出せる時が来たよ」

残像とはいえ先生の顔を見つめて、にっこりと微笑む。

この人はきっと知っていただろう。

殺「先生。神楽さんがそう言ってくれる日を待ってましたよ」

ほかの先生とは違う。今の成績だけを見てどうこういう人じゃない。

前の成績も、何もかも調べているはず。

先生は笑っていた。

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