白鷲が二羽 ページ2
それらを目にした瞬間、衝撃が走った。
及川は呑気に鼻歌を歌っているが、それどころではないだろう。
なんで、なんで......
「なんっでSUMESI増えてんの......！」
「いいでしょ、色違い」
「いじめが過激になっている......」
「その言葉が一番傷つくんですけどー？」
アルゼンチンに戻ってきて、久々の及川とのルームシェア。服を片付けようとクローゼットを開け、絶句。
この残念イケメン感が逆にモテるのだろうか。......いや違うよな。
「飛雄とのツーショット送られてきた時は画面叩き割ろうかと思ったよね！」
「困るの及川だけどね」
「間違えて羨ましいとか送っちゃったし！」
「カゲヤマは間違えてタマシイって読んでた」
飛雄バカじゃーんと及川が爆笑する。このノリも、嫌いじゃない。
「俺さ、あっち居る時、毎日及川見てから寝てたんだよね」
「え、待って怖い怖い。意味によってはホラーだよ？」
「意味って......普通に、及川の動画見て？」
「......及川さんは崇拝対象ってこと？」
「違うよなんでだよバレーだよ」
実物拝んでもいいんだよっ！
星が飛びそうな勢いでウインクをするイケメンの眉間に、デコピンを打ち込んでみました。わざとらしく呻き声を上げる様はとても滑稽で面白かったです。ははっ。
「画面越しよりイケメンでしょ！」
「中学高校の及川のほうが可愛かった」
「それは否めない！」
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作者名：イルカ | 作成日時：2024年4月13日 16時
