検索窓
今日:6 hit、昨日:32 hit、合計:201,363 hit

+++++ ページ34

.


「…で、まぁたぬらちゃんに捕まったん?
ぬらちゃん確かに君に超ベタ惚れやったもんなぁ。
亡くなった奥さん転生した、なんて知ったら日本全国駆けずり回って地中掘ってでも見つけ出さんと気ィ済まなそ」

「なんであれ、今は"桜夜 A"として生きてる」

「ボクにとってはA姫ちゃんはA姫ちゃんやからそのままやわ」

「構わん」



そして、秀元は話が脱線してしもうたわ、なんの話しやっけ?ああ、孫くんが強いのかどうなのかっちゅー話やったな。と一人で話をし始めた。



「繰り返しになりますが、リクオ様はいらっしゃいます。……リクオ様が以前言われたのです…
"オレは人にあだなす妖怪(やつら)は許さねぇ"」



その言葉に、私はクスリと笑みを浮かべた。



「リクオ様は…ちょっと変わった境遇ですから敵も多いですけど、信念をまげずいつも自分の力で道を切り開いてきました」



だから、私はいつも信じていますよ。と氷麗は話す。
ドアの後ろにいる人物にも私は気づいていたものの、特に止める気もなかった。



「…氷麗」

「はい、奥方様」

「お前がリクオの側近でよかった」

「え…?」

「お前はいきすぎる時もあるが、本当に心からあの子を思ってくれているのが分かる。
故にあの子は妖怪のことを嫌がっていた頃でも本当に嫌いにはなれなかったんだろうな」



ぬらりひょんと鯉伴が道を選ばせるなどと言い、教えなさすぎたがためにあんなことになったものの、あの子は2人の望んでいた道を選んでくれた。
ぬらりひょんも本人にはその様子は見せないが、とても喜んでいたのだから。



「お前は、雪麗とは違うやり方でいつもあの子を支えてくれている。…感謝するぞ」

「なっ、そ、そのようなお言葉っ…
身に余る光栄です…母に比べれば、私はまだ…」

「わかってはおったけど、やっぱA姫ちゃん奴良組じゃ権力強いんやね?」

「そんなつもりは無いが」



ま、それはそうと…と秀元はカーテンを開けた。



「…なるほどねぇ…
そういう奴なら来る際に伝えなあかんな。
封印のこと。ゆらちゃん見えるやろ。
あれは京に巣食う怨念の積柱」

「………………」



窓から見える景色。
雅な京の都を台無しにするおどろおどろしい、真っ黒な柱だ。



.

+++++→←+++++



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (222 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
905人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

棘くん(プロフ) - 更新ありがとうございます!!! (2021年5月30日 16時) (レス) id: 187c3c8143 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 更新ありがとうございます!!早速読ませてもらいました!次も楽しみに待ってます!頑張ってください! (2021年5月30日 12時) (レス) id: 105efbdf0c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 紅葉さん» 紅葉様。応援ありがとうございます!これからもよろしくお願いします笑 (2021年5月30日 11時) (レス) id: 088474bcfb (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 更新ありがとうございます!これからどんな風に話が進むのか楽しみです!頑張ってください!! (2021年5月22日 18時) (レス) id: 105efbdf0c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ▼とある黒兎さん» 更新をお待ちいただきありがとうございます!ゆっくりですがちゃんと更新しますので、これからもご愛読くださいませ。 (2021年5月22日 18時) (レス) id: 088474bcfb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2020年11月12日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。