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葛藤 ページ9

俺にぶつかってきたのは、Aだったらしい。

Aはぶつかった反動で床に叩きつけられた。
俺はすぐさまAに駆け寄った。

「大丈夫か!?」

「うぅ……」

Aは痛そうに眉をひそめる。

「大丈夫です……。ごめんなさい」

無理した笑顔で答えたA。

「お前、どうしてそんなに急いでたんだ?」

我を忘れたように猛スピードで走ってきた理由が知りたくて。

「それと、今までどこ行ってたんだ?」

「あぅ……」

今にも泣きそうな、焦った表情で声にならない声を漏らすA。

「アランー?」

扉の向こうからマノンの声が聞こえる。

「アラン、どしたのー?」

ぶつかった音が聞こえたらしく、心配する声をかけるマノン。心配してくれているのだろうが、声は無邪気だ。

「マノン……。大丈夫だ。すぐ戻ってくるから、心配するな」

とは言ったものの、Aをそのままにして行くわけにもいかない。

「あ、A。ちょっとついてきてもらってもいいか?」

「ふぉ、ふぉえっ?」

Aは目を大きく見開いて、理由を知りたそうに俺を見た。

「ゆっくりでもいいから、お前の話を聞かせてくれ」

「……!」

Aの白くて折れそうなくらい細い腕をつかみながら、受付へと進む。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【A視点】

「アラン、どしたのー?」

「マノン……。大丈夫だ。すぐ戻ってくるから、心配するな」

マノンちゃんとアランの会話の内容が、私の頭の中を通り過ぎて消えていく。

私はただ、さっきの光景を伝えたくて、伝えたくなくて、葛藤していた。

1人で抱え込んでいるのはつらいから、すべてを話して解決方法を一緒に探りたい。
でもこの事を伝えたら、ショックを受けさせてしまうかもしれない。そんなの、嫌。

「あ、A。ちょっとついてきてもらってもいいか?」

「ふぉ、ふぉえっ?」

急に呼びかけられて、変な声を出してしまった。

なんの用なんだろう……。

「ゆっくりでもいいから、お前の話を聞かせてくれ」

「……!」

アランの手が、私の腕を優しく包む。そのままアランはどこかに向かって歩いていく。


「あの、どこに行くんですか……?」

「受付だ。マノンにジュースを買ってこいと頼まれててな」

それなら、私がついて行かなくてもいいような気がするけど。

そんな私の考えを読んだのか、アランはその疑問に答えてくれた。

「お前、俺に何か言いたいんだろ? 受付に着くまでの間、それを聞きたいんだ」

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設定タグ:ポケモンXY , 最強メガシンカ , アラン   
作品ジャンル:アニメ
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エビピラフ - すごくすっごく面白いです!!それに、キュンキュンしますね〜。これからも更新頑張って下さい!!! (2016年8月8日 1時) (レス) id: 44e702c603 (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - カレーオムライス…とてもおいしそ〜とても食べたくなってきました! (2016年8月6日 11時) (レス) id: 6bba43ef19 (このIDを非表示/違反報告)
瑠美 - 良かった。アランは、主人公に薬を飲ませなかった。安心しました。((o(^∇^)o)) (2016年8月4日 5時) (レス) id: eec2ec89e1 (このIDを非表示/違反報告)
瑠美 - 駄目。飲んじゃ駄目。その薬を飲んでしまたら、主人公は、壊れてしまう。アラン止めて。 (2016年8月2日 20時) (レス) id: eec2ec89e1 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - 黒乙女ありすさん» コメントありがとうございます! 主人公の考えとしては、『本当に美味しいカレーなら、飽きなんてこない』ってことなので、3日連続でも彼女にとってはむしろご褒美です(笑) (2016年8月1日 19時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:頂志桜 | 作成日時:2016年7月20日 7時

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