乗っ取り7 ページ8
ちゃんと作戦通りにやれよ、と目線で訴えると、加州と亀甲は渋々と
いった感じで見習いに近寄った。
「ほんと!?ねぇねぇ、いつまでここに居んの?」
「二ヵ月だよ♡」
「んじゃあ、二ヵ月・・・いーっぱい俺のこと愛してね♡」
加州は流石、といったところだ。
見習いは勝ち誇ったような笑みを見せているし、うまくいっているな。
「そう言ってくれて嬉しいな。君が僕の新しいご主人様になるよう願っているよ」
「えー?二人共、そんなこと言っちゃっていいの?」
「いいのいいの!今の主なんか、俺のこと全然愛してくれないし。構って!って言ってもほとんど聞いてくれないし」
「放置プレイは嫌いじゃないけれど、それには愛がないとね。愛してくれない人をご主人様とは思えないよ」
「貴様らっ・・・・・!!」
『長谷部、これは演技だから落ち着け』
小声で制すと、長谷部は納得していないような顔のまま座り直す。
他の刀もあまりいい気はしていないようだ。
まぁいくら演技とはいえ、私も傷付いていないわけではないからな・・・・。
「清光、本気で言ってんの?」
「本気だよ。そんな、女らしさのかけらもないような奴が主とか死ぬほど嫌だったんだよね」
・・・・・・やっぱり、断るべきだったんだろうか。
いや、どうせ断ることなんてできない。だけどそれでも、それを検討すればよかったのか。
『________加州』
「・・・・なに、話しかけないでよ。俺はもう見習いを主だと思ってるから」
『っ、加州』
「聞くたびに鬱陶しくなるその声を聞くのも嫌になったの。さっさと失せてよ。俺にその不細工な顔を見せないでくれる?」
『・・・・・ごめん』
「はぁ?謝ったら済むと思ってんの?馬鹿じゃない?」
『・・・・』
ごめん。
鶴丸の作戦は悪いものじゃない。だから了承した。
でも、私は刀の気持ちを考えてなかった。
「いいから広間から出て行って。二度と俺の名前呼ばないで」
そんなつらそうな顔をさせるくらいなら、やらなければよかったと。
「あんたなんか大嫌いだ」
『・・・・分かった』
私は立ち上がり、加州に笑いかけた。
本当にごめん。お前は、こんなことしたくないはずなのにな。
これじゃ、
『主失格だな・・・・』
「っ、あ」
私は静かに広間から出て行った。
・・・・私の演技も完璧じゃね?←
1041人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いぶき(プロフ) - 続きが気になります! (2022年9月11日 15時) (レス) id: d775cce176 (このIDを非表示/違反報告)
akithin.(プロフ) - 更新は、もうされないのでしょうか? (2020年7月9日 2時) (レス) id: e324714dd9 (このIDを非表示/違反報告)
アニオタちゃん - 更新、頑張ってください! (2019年12月8日 21時) (レス) id: 8da926b67e (このIDを非表示/違反報告)
アニオタちゃん - なんかこの作品好きだわ....w (2019年12月8日 21時) (レス) id: 8da926b67e (このIDを非表示/違反報告)
白猫(プロフ) - 面白かったです!がんばってください、応援してます! (2019年9月24日 19時) (レス) id: 84c6b64b23 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みかづち | 作成日時:2019年8月28日 17時