【名探偵コナン】ゼロの愛し子 番外編【降谷零】

遭遇 ページ10

「外で風見や梓さん以外と居る俺を見たときは話しかけてこないでくれ」

そう(人１)に度々言い聞かせていた。

もし組織の人間と会ってしまうと(人１)が危険だからだ。

その自分の考えの甘さに、今猛烈に後悔している。

「お父さん！梓お姉ちゃんもこんにちは！」

(人１)の元気な挨拶に一度驚いたものの、こんにちはと即座に返すこの人は、さすが女優だ。

そう感心すると同時に、(人１)とベルモットを会わせてしまったことにとてつもなく焦っていた。

完全にバレた。親子だというところまで。

とりあえず(人１)に梓さんを疑わせてはいけない、と思い、ベルモットに知らせるためにも名前を呼んだ。

「ああA、遊んできたのか？」

「うん、お父さんは何してるの？」

組織の命でミュージシャンの波土禄道のライブに、梓さんに変装したベルモットと向かっているところだ。

「Aちゃん、私たち今から波土禄道のライブに行くの。一緒に来る？」

(人１)のことをよく知りたいベルモットの誘いに止めようとしたが、

「いいの？」と顔を輝かせる(人１)を無理矢理帰すことはできなかった。

この際ベルモットが(人１)のことを気に入れば危険は無いのでは、と考えたということもある。

ライブを見るだけだし、と(人１)の同行を許したのだった。

この時、意地でも止めておけば良かったと後でものすごく後悔することを知らずに。

〃→←感謝の日

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