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今朝の紫耀を思い出す。
「もう大丈夫だから」
もう辛さなど一切見せずに笑ってはいたけれどまだ心配してしまう私はとことん紫耀に甘い…というかなんというか。
それに自分から話を聞いておいてやっぱりそれなりにダメージもあった。
最終的に昨日は辛い思いをしてしまった彼だけれど、最初はミユさんに会えて嬉しかっただろうし。
紫耀の情緒はいつだってミユさんによって変化されていく。
私が彼の心を動かせたことがあっただろうか。
少し考えてみたけれど、何一つなかった。
それがとても悲しく思えた。
「…ひゃっ！」
突然頬に感じる冷たさに情けない声が出てしまった。
咄嗟に後ろを振り返る。
「優太さん…」
「よっ」
軽く挨拶をしたあと、私の目の前にカップに入ったアイスクリームを置いてくれる。
私の頬に感じた冷たさはアイスクリームのものだと理解する。
「隣いい？」
「あ、はい」
私が頷けば優太さんは私の隣の席に座る。
優太さんは一学年上の先輩で、同じサークルでもある。
「Aも空きコマだよな？」
「そうですよ。あ、アイスありがとうございます！」
「おう」
バッグの中から財布を取り出す。
「えっと、これは」
いくらだったかと思い出そうとする。
「え、ちょ、いいって！奢りだから」
優太さんは財布を仕舞うようにジェスチャーをする。
「いつも奢ってくれるじゃないですか…たまには」
「いいんだって。可愛い後輩に奢るのは先輩の特権だからな！」
「ふふ、なんですかそれ」
優太さんのおかしな理屈に自然と笑みが溢れる。
「いいから早く食え！溶けるぞ？」
「たしかに！」
せっかく優太さんが買ってくれたのだから溶けてしまったらもったいない。
「ちょうど昨日家でアイス食べる予定だったんですよ」
そういえば、と思い出す。
「食べなかったの？」
「はい。食べ損ねちゃいました」
食べ損ねちゃいました。なんて優太さんには笑いながらそう言ったけれど、頭の中では、紫耀がチラつく。
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來(プロフ) - やんやんさん» とっても好きな作品と言ってもらえてとても嬉しいです(^^)切ないですよね…。これからも切ないシーンが出てくると思いますがお付き合いお願いします(>_<) (2020年10月6日 23時) (
レス) id: 77d7f96759 (このIDを非表示/違反報告)
來(プロフ) - munさん» 二人とも好きな人が原因で辛くなってるんですよね…。自分でも書きながら切な！！って思ってました… (2020年10月6日 23時) (レス) id: 77d7f96759 (このIDを非表示/違反報告)
來(プロフ) - 初子さん» はじめまして。ドキドキをお届けできているようでよかったです！ありがとうございます(TT) (2020年10月6日 23時) (レス) id: 77d7f96759 (このIDを非表示/違反報告)
やんやん(プロフ) - いつも涙ポロポロ出しながらぎゅーんと切なくなりながら見ています（ ; ; ）とっても好きな作品です。 (2020年10月6日 21時) (レス) id: 97979cb1f9 (このIDを非表示/違反報告)
mun(プロフ) - 44ページの最後、お互い苦しいでしょうね・・・平野君にとっても嫌だし、それを聞いてしまった夢主も嫌だろうし・・・なんだかとても切ないです。 (2020年10月5日 17時) (レス) id: 0e3b0babab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：來
| 作成日時：2020年9月16日 22時
