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.
「A…？」
「それで寂しくなっちゃったんだね…」
紫耀を抱き締めながら背中を優しく一定のリズムで叩く。
「このまま一人でミユのことを考えながら夜を過ごすなんて嫌だって思った」
「だからAに電話した」
「そっか…」
紫耀は一人でいたくなかったんだね。
私以外の子にも連絡をしたかもしれないし、何番目に私に連絡をしたのかも分からない。
でも私は紫耀に呼ばれて、弱っている彼の側に居られてよかったと思う。彼のためになれたならそれでいいの。
「昨日Aがいてくれたから俺は一人じゃなかった」
彼がそう言ってくれるだけで胸がきゅうっと締め付けられる。
「うん。紫耀は一人じゃないよ」
どんな理由でもいい。あなたが私を必要としてくれるなら、
私はいつだってあなたの側にいてあげる。
どんなに都合よく利用されていたとしても、それが私にとっての幸せなんだ。
.
*
俺は本当に最低だ。
ミユのことで勝手に傷ついて、孤独感から逃れるためにAの事情なんて少しも考えないで呼び出した。
夜は気の済むまで何度も抱いて、朝になればAの優しさに甘えて
まるで俺は何も悪くないんだとでも言うようにAに同調を求めた。
いくらAが気を遣って俺の話を聞こうとしてくれたとしても、すべてを話すべきではなかったはずだ。
Aが帰ってから気づいた。いや、本当はもっと早く気づいていて、けど気づかないふりをしていたのかもしれない。
俺の話を聞いているときAは一体どんな思いで俺のことを抱きしめてくれたのだろうか。
俺がどんな言動を取ってもAは俺のことが好きだから、何だって許してくれる。
そんな自信がどこかにあるんだろう。
やっていることはミユと同じだ。
ミユにされて嫌なことをどうしてAにもしてしまうんだろう。
俺は本当に最低だ。
もうどうしようもない。
*
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來(プロフ) - やんやんさん» とっても好きな作品と言ってもらえてとても嬉しいです(^^)切ないですよね…。これからも切ないシーンが出てくると思いますがお付き合いお願いします(>_<) (2020年10月6日 23時) (
レス) id: 77d7f96759 (このIDを非表示/違反報告)
來(プロフ) - munさん» 二人とも好きな人が原因で辛くなってるんですよね…。自分でも書きながら切な！！って思ってました… (2020年10月6日 23時) (レス) id: 77d7f96759 (このIDを非表示/違反報告)
來(プロフ) - 初子さん» はじめまして。ドキドキをお届けできているようでよかったです！ありがとうございます(TT) (2020年10月6日 23時) (レス) id: 77d7f96759 (このIDを非表示/違反報告)
やんやん(プロフ) - いつも涙ポロポロ出しながらぎゅーんと切なくなりながら見ています（ ; ; ）とっても好きな作品です。 (2020年10月6日 21時) (レス) id: 97979cb1f9 (このIDを非表示/違反報告)
mun(プロフ) - 44ページの最後、お互い苦しいでしょうね・・・平野君にとっても嫌だし、それを聞いてしまった夢主も嫌だろうし・・・なんだかとても切ないです。 (2020年10月5日 17時) (レス) id: 0e3b0babab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：來
| 作成日時：2020年9月16日 22時
