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舞台終了後、舞台を照らしていたスポットライトは消え、客席に明かりが戻る
周りの観客が立ち上がる中、私はただ呆然と座り込んでいた
口々に語られる言葉もただの雑音だった
その雑音が小さくなった頃、肩をポンと叩かれて我に返った
「あっ、ごめんなさい…」
思わず出た謝罪の言葉
相手を見上げると、ついさっきまで舞台に立っていた彼だった
「にゃは、来てくれたんだぁ」
「佐久間さん…」
舞台の格好ではなく、スウェットに着替えた佐久間さんはニコニコしながら私の隣の席に腰掛けた
何も言わないけれど、こちらを見つめる視線はこちらにそれ以上の言葉を求めるものだった
まるで別人みたい
「とても、凄かったです」
「えぇ、めちゃくちゃシンプル！もっと頂戴よ」
「何か、言葉では表せられない。ここでは色々感じてるんですけど」
そう言って自分の頭を突いた
そしたら佐久間さんは可笑しそうに笑って、私の頭をそっと撫でた
急に柔らかくなる視線
舞台の上に居た彼の片鱗なんてそこにはない
ここに居るのは、いつも私が知ってる佐久間さんなのに
何かとても精巧な入れ物に沢山の特別を詰め込んだような人だな
そんな彼に、私はまんまと虜になっているのだから
「どう？俺のことちょっとは知れた？」
「知れたから、怖いです」
「もーう、なぁんでよ」
くすぐったそうに笑う佐久間さん
果たして、この役割が私で良かったのだろうか
ここに居るのが私で、彼はガッカリしてないのだろうか
「佐久間さんのこと、もっと知りたくなっちゃうから」
ふと、佐久間さんから表情が消えるのが分かった
泣きたくなった
何か、間違えた
「じゃあさ、」
そう語りだした佐久間さんの表情はとても冷たいくせに
「俺、どうしたらいい？」
投げやりな言葉とは裏腹に、佐久間さんのその指先が
私の髪も、顎のラインも、耳も、頬も、首筋も
大切に大切に撫でるものだから
美しいものをその指先で表現する彼だから、まるで私までもが特別に思えてしまって
急に縮まる距離に違和感なんて抱けず、
ただ彼の手中に落ちた
その事実だけ客観的に理解した
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なむる。(プロフ) - 雪の王子様さん» 私が出した全ての作品に、本当に素敵なコメント下さって！！ありがとうございます^_^彼らの素敵な姿を描けたらな…頑張ります！ (2020年9月16日 7時) (
レス) id: 74f22f9e0f (このIDを非表示/違反報告)
雪の王子様 - さっくんでてきた！なんかすごい展開の予感…更新頑張ってください。 (2020年9月16日 2時) (レス) id: a501c8742d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なむる。 | 作成日時：2020年8月23日 23時
