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Sakuma side.
感情のままに身体を揺さぶる
どの角度から見たら美しいかとか、どんな魅せ方をしたら人は引き込まれるかとか、そんないらない事を考えずに自由に踊るようになってからかな
漸くダンサーとしての人生が僅かに花開きだしたのは
つい数年前までは、人伝のオファーで小劇場の舞台だったりの前座を任されるくらいの仕事しか貰えてなかったのに
最近は数カ月に1度くらいのペースで、そこそこ大きな舞台でソロ公演をさせて貰えるようにまでなった
俺にとってそれは大きな躍進だった
小さい頃からいろんなジャンルのダンスは習ってて、ただ漠然とこれで将来デッカくなりたいなーって思ってた
高校生の頃、ダンス教室の端っこの方に居た奴に、賞賛された
俺、お前のダンス好きだよって
それだけで、俺は絶対にダンスで食ってくんだって決心した
昔から、ダンス教室の先生にはお前は団体でのパフォーマンスには向かないなって何度も怒られた
個が強いって
俺はそれを褒め言葉だって思ってたけど、誰も良い顔なんてしてくれなくて、あー悪いことなんだって思ってた
だから、それが俺の全部を許してくれたように感じた
感情を知ると、踊りも変わる
ファンの人に言われた、誰かにでも恋したの？って
だとしたら、俺が恋したのはたったの一人だよ
誰にも言わなかったけど
「あーべちゃんっ！」
劇場での公演が終わって、お客さんが皆捌けた薄暗い室内
いくつも並べられた折りたたみイスの奥の方に、全身黒ずくめの細身の男が一人だけ座っている
阿部亮平
観客が居なくなったことを舞台袖から確認して、俺は舞台の格好のままに駆け寄る
「佐久間、お疲れ様」
「うんっ！ねぇどうだった！？」
「良かったよ、すごく」
阿部ちゃんは折りたたみイスに座ったまま柔らかく笑った
俺の心の奥の方で、もう耳慣れた音が鳴る
「俺ねー、今日すっごい楽しかった！なんか、気持ちがグワーって！阿部ちゃんが居たからかな？」
「ふふっ、舞台の上の君は輝いてるよ」
ほら、またそうやって
阿部ちゃんは俺なんかの何倍も何十倍も頭が良いからさ
俺の下手くそに隠した気持ちを先読みして、そうやってまた俺を君って言うんだ
正解と不正解しかない阿部ちゃんのことだから、世間一般の不正解を選ばないようにって
いつも引かれる境界線を超えられずに俺はその場で足踏み
こうして貴方を思って踊る俺を見てって、それだけのワガママ
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なむる。(プロフ) - 雪の王子様さん» 私が出した全ての作品に、本当に素敵なコメント下さって！！ありがとうございます^_^彼らの素敵な姿を描けたらな…頑張ります！ (2020年9月16日 7時) (
レス) id: 74f22f9e0f (このIDを非表示/違反報告)
雪の王子様 - さっくんでてきた！なんかすごい展開の予感…更新頑張ってください。 (2020年9月16日 2時) (レス) id: a501c8742d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なむる。 | 作成日時：2020年8月23日 23時
