５２、色 ページ10
顔を上げながら彼は話を続ける。
横山「オレ…高校ん時、藁科さんのこと、ずっと見て見ぬ振りしてて、ずっと心残りって言うか、後悔しててん。
関西から引っ越してきたばっかりでなんかこっちに馴染めてなくて、あの…なんつったっけ、イワサワってアイツが藁科さんに嫌がらせしてるの分かってたのに…止められへんかった。
何度も言おう、言わなって思ってたのに…。だから、もう今更なのは十分承知してるけど…ごめんなさい」
もう一度頭を下げた。
突然のことに記憶が一気に高校時代に戻った。
そうイワサワくんと言う彼が私に嫌がらせをしてた…。
始めは優しそうな雰囲気で話をしていたのに、だんだんと横暴になってきて…めんどくさいことは全部私に押し付けるようになった。
声が大きかったから、調子に乗ったほかの男子も私のことを使うようになってきて…。周りの子たちが心配してた…。
あ…
その中に…
色の白い…でも強い目で彼を見つめる横山くんが、いた…
そう…この眼…
周りに助けを求めようとして視線を泳がせたとき、この眼を見たことがある。
横山くん…だったんだ…
横山「藁科、さん？」
名前を呼ばれて現実に戻る。
A「っあ…、ごめんなさい。昔のこと、が…」
それ以上言えなかった。
涙が後から後から零れてきて…声が出なかった。
ハンドタオルをかばんから取り出して顔を覆うと、横山くんに「こっち」と近くにあったベンチに座らされた。
深呼吸を繰り返して、涙を止める。
少し落ち着いたところでようやく口を開くことができた。
A「…ごめんなさい。昔のこと思い出してしまって…。自分でもこんな風になるなんて知らなくて…ごめんなさい」
横山「謝ってるのはオレやし、藁科さんが謝る必要なんて全くないから。嫌な思い出まで思い出させちゃって、ごめん。
でも、オレ…見てるだけしかできなくて、ずっと歯がゆくて…申し訳ない気持ちばっかやった。この間、名前聞いてすぐに分かったし、オレの身勝手な話やけど『謝らな』ってずっと思ってた」
A「…ありがとう。そんな風にずっと気遣ってくれてたなんて…」
そんな人がいるなんて考えたことがなかった。
味方はいないって思ってた。
辛いだけ真っ暗だった高校生活にほんの少しだけ色が戻った気がした。
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あい(プロフ) - むにゃむにゃんさん» むにゃむにゃんさん、ありがとうございます。大好きなことなので、プラス思考で時間をうまく利用して頑張りたいと思います！今後も気長にお付き合いくださいねm(_ _)m (2019年9月19日 3時) (
レス) id: 6cfe9042a6 (このIDを非表示/違反報告)
むにゃむにゃん(プロフ) - お話を生み出す苦労は並大抵ではないと思います。待つ事しか出来ませんが、楽しみにしています。ご無理なさらずに(^^) (2019年9月17日 22時) (レス) id: 5224fbc573 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - ことぶきさん» ことぶきさん！ありがとうございます！ちょっと行き詰まったけど、方法はあると思うので上向いて口角上げて頑張ります♪他の方のお話も全然読めてないからストレス〜(笑)余裕があるときに一気読みして発散したい(笑) (2019年9月16日 7時) (レス) id: 6cfe9042a6 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 蒼さん» 蒼さん、ありがとうございます。そうおっしゃってくれる優しいお気持ちがが一番ありがたいです。時間決めて少しずつ進めていきたいです。気長にお待ちくださいm(_ _)m (2019年9月16日 7時) (レス) id: 6cfe9042a6 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - ゆかりんさん» ゆかりんさん、ありがとうございます。そういっていただけるとホント嬉しいです。できる限り頑張りたいと思ってるので待っててください！ (2019年9月16日 7時) (レス) id: 6cfe9042a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あい
| 作成日時：2019年9月14日 7時
