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「それじゃあまたね！」とユウが手をふって去る
なんて笑顔なんだ…
エースは「がんばってね」と語尾にハートをつけてナミの頬にキスしたあと、満足そうに去っていった
「エース！！なにしたんだ！？」とデュースがそれを追い掛けた
「あのジャガイモ、ナミの頬を汚しておいて…」
ヴィルはエースを睨みながら
ナミの頬をハンカチで拭った
「いい？貴女は“私の”お人形なの。他の男に触らせないでよ？エペルも、ナミのこと守りなさいよ」
「わーてるよ」
ムッ、としながらエペルが答える
ポムフィオーレの2人は喧嘩腰にエースたちを見つめた
これが…ポムフィオーレですか…
「さっ、ナミ。勉強のお時間よ。ちゃんとリボンを結びなさい」
ヴィルは少しだけ乱れていたナミのリボンのネクタイをさっと結び直した
そして、気合いを入れるように肩をパンッ、と叩く
「いってらっしゃい」
「……いってきます…」
ナミはそんなヴィルの行動に驚きつつ、
照れながら返事をした
少しのヴィルの優しさが身に染みたのだった
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＿＿＿＿放課後
学園の中庭にサーカス団がやってきたかのような
ハウスができていた
「ひっ…人がいっぱいです…」
会場は満室
カーテンの向こう側にある回覧席は人でぎっしりだった
「ナミ、メイクをするからこっちへおいで」
ルークに呼ばれたナミは奥のメイク室へ移動した
ヴィルやエペルも他の楽屋で準備をしていた
メイクといっても顔に化粧を施すだけではない
ドレスもメイクの一部だ
「悪役らしくこのブルーベリー色のドレスなんてどうだい？小悪魔っぽくて可愛いと思うんだけど」
んふふっ、とルークが楽しそうにドレスを前に出す
あっそれで…と言いかけたナミの口が止まる
「いいえ、真っ赤なドレスを用意して。ヒロインの返り血がたくさんついたようなドレスにしてちょうだい」
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作者名：真灯
| 作成日時：2022年9月30日 18時
