リセット ページ33
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アメリカに来て3週間。
ストレスフリーの生活ですっかり声も出るようになった。
でもランペのことは1度も忘れたことは無い。
「……A、声治ったんだから帰れば?」
公園のベンチで、サラが飼ってるゴールデンレトリバーのレオとダラダラしていたら、急に口を開いたサラ。
……レオに会ってからずっと思ってたんだけどさ?
レオが陸にしか見えないんだよね。
昨日なんて普通に『リク』って呼んじゃったもん。()
これもきっと、ランペが頭から離れない理由の一つ。
「んー、鬱陶しい?」
「うん」
「え、」
「嘘(笑)」
私は1ヶ月でも1年10年でも居てくれて構わないけど、とレオと戯れながら言うサラ。
なんだよ。
いて欲しいんじゃん。(別に。Byサラ)
素直じゃないなぁ、全く。
まこっちゃんみたいなツンデレだな。
「ランペ、だっけ?寂しがってるんじゃないの?」
「んー、どうだろうねぇ」
正直今でも少し、いや、かなり不安。
ランペに私の居場所ってあるのかな。
男16人のランペの方がしっくりきてる。
みんなは思ってなくても、少なくとも私はそう思ってる。
ファンのみんなが求めてるのって、やっぱり男16人のランペじゃないのかな。
私が戻っていいのかな。
邪魔だって言われたりしないかな。
勝手にどっか行って、勝手に帰ってきて、呆れるんじゃないかな。
怒られるかな。見捨てられるかな。
「……でた、Aの変なところで出るネガティブ」
「……最近は出なかったんだけどね」
「はぁ、いつからAはそんなに弱っちくなったの?」
こんなの私が知ってるAじゃないよ、とサラは私の肩を叩いた。
そうじゃん。
私は私らしく。ね?
ネガティブな私は私じゃないよ。うん。
「……サラ、私帰るわ」
「ん、じゃあ荷物まとめに帰るかぁ」
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作者名:L | 作成日時:2020年4月5日 18時