一緒に ページ4
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いつか爆発しそうだなぁと、またAB型発揮して呑気に考えていた時、私は、夢を見るようになった。
知らない人に階段から突き落とされる夢。
犯人は逆光で見えなかったけど、多分アンチなんだろうなぁって。
そこまでは全然いいんだけど、その夢が、鳥肌が立つほどまぁ現実っぽくて、目を閉じたらまたその夢を見そうで怖かった。
そして次の日に備えて寝なくちゃいけないのに、寝ようとすると夜はどんどん眠れなくなって、毎日睡眠不足みたいになった。
そして事件は起こった。
夢が本当になってしまった。
エレベーターは点検中で、メンバー全員で階段で降りていた。
その時はもう体調不良(主に睡眠不足)のピークで、しかもメンバーともそんなに仲良くしてなかったから、一人で一番後ろでゆっくり階段を降りていた。
踊り場から2、3段降りた時、後ろから誰かに押された。
万全な体調だったら滑って心配されるぐらいで終わってたかもしれないけど、絶賛睡眠不足な私には無理だった。
ちょっとの力で階段の上の方から転げ落ちた私は、気を使って3段ぐらい先で私に合わせてゆっくり階段をおりていたスリボに直撃した。
咄嗟に手すりに捕まった壱馬と、3段ぐらい滑っただけの陸はなんとか大丈夫だったけど、その時からヒョロかった吉野は私と一緒に下まで転げ落ちた。
そんな時でも、メンバー、しかも3歳も年下の子に怪我させられないと思って、とりあえず吉野の頭を抱えて転げ落ちたせいでか、下の踊り場まで叩きつけられた時は一瞬で意識を失った。
そして次に目が覚めたのは5日後。
頭をぶつけていたのもすぐに目が覚めなかった理由の一つだったけど、大きな原因は大きなストレスだったらしい。
犯人は今でも不明。
吉野は打撲ぐらいで済んだけど、私は打撲と捻挫、そして不眠とストレスと頭をぶつけていたことが全部一気に私を襲って、もうイライラはピーク。
打撲と捻挫のせいで、ダンス歴がいちばん浅い私が見学で、ということもあり、余計に私の心は荒れていた。
でも荒れてたのは吉野も同じだった。
自分のせいで私がこんなに怪我したんだと思い込んでいたらしい。
全然そんなことないのにね。
あの時目の前に吉野がいなくても、私はこれぐらい怪我してたよ。
何度そう言っても吉野の表情は晴れなかった。
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作者名:L | 作成日時:2020年4月5日 18時