パーフェクトヒロイン。

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紫耀side

「え、どうしよう、麦茶しかない！笑」

キッチンからそんな叫び声が聞こえる

「いいよいいよ、気にしないでほんとに」

いきなり行ったらまずいかななんて思ったけど

「部屋綺麗か抜き打ちで見に来た！」

みたいなノリで一瞬顔見れたらいいや

って思って彼女の家を向かっていた途中

華奢な女の人が立ち止まって、俯いてて

まさかと思ったら

世界で1番会いたかった人

「平野さん、、？なんで、、？」

「あ、えっと、、Aちゃんの家、行こうかなと、思って、、

あ、でも、、調子良くないかな、、？」

彼女の虚ろな目に少し動揺したけど

「平野さん、会いたかったです、、！」

彼女の大きな瞳が俺を捉えた瞬間

急に光を取り戻したみたいに、輝いた

あぁ、こんな俺でも

ほんの少しは彼女の役に立てているだろうか

「どうしよう、平野紫耀を麦茶でもてなす女なんてこの世で絶対私だけですよね？笑」

相変わらず

綺麗な顔

どうか、その笑顔が本物でありますように。

「部屋、綺麗じゃん笑」

「ふふっ笑 いつでも平野さんが来てもいいようにしてたんですもん

でも、麦茶しか用意してないところは、さすが私って感じ 笑」

怖いくらい何でもかんでも完璧な彼女の

そういう一面が可愛くて仕方がない

「今日は、、外出てたんだね」

「あー、、そうなんですよ、笑

調子乗ってお買い物行ったら、あ、やっぱり無理ってなって

ほんと平野さん来てくれて良かったです笑」

Aちゃんの心の中は今、どんな感じなんだろう

そもそも何がどうなって

活動休止するまで追い詰められたんだろう

公式の発表では

心身が不安定なため

って書いてあったけど。

「Aちゃんは、最近なにしてるの？」

「寝るか食べるか、たまに掃除 笑

あ、でも最近、面白い少女漫画見つけちゃって！」

「へー！どんな話？」

「めちゃくちゃ王道です！

ヒロインの女の子が、ずっと憧れてた幼なじみのお兄ちゃんと再会して、恋する話、、

えー平野さんで実写化して欲しいなー

絶対私見に行く笑」

「じゃあ、そのヒロインは、、Aちゃんがいいなぁ、、」

思わず漏れた俺の心の声を聞いて

彼女は少し驚いた顔をしたけど

YESもNOも言わず、微笑んだ

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