御曹司系アイドル。After Story

ローマの休日 ページ4

〇ローマの休日
ブーブー

｢もしもし、廉様

お忙しい中、申し訳ございません。

A様の所在をご存知ないでしょうか？｣

｢えー、またいないんですか？笑

多分はるちゃんといると思います｣

｢そうですか！ありがとうございます。｣

ブーブー

｢もしもし、A様でしょうか

大変申し訳ございませんが、廉お坊ちゃまとご一緒でしょうか？

私が目を離した隙に、どこかへ行かれてしまって｣

｢あーー、平野くんと一緒だと思います！｣

｢そうですか！ありがとうございます。｣

2人で顔を見合わせてにやにやする

｢執事って大変よな｣

｢それな

親より迷惑かけてる笑｣

今日は

何もしたくない日

同じお茶会にご招待されてるんだけど

＜今日めんどくない？＞

＜めんどい、さぼりたい＞

＜じゃあ逃げよう＞

＜まじで言ってるの？笑＞

＜迎えに行く、裏口から出てきて＞

見事、永瀬家の御曹司に誘拐されました！

とりあえず

廉の別荘に来てる

｢今からどうする？｣

｢どうしよっか｣

なんか

オードリーヘップバーンの

｢ローマの休日｣みたいでワクワクしちゃう

｢あ、俺、海行きたい｣

｢え？｣

｢行こ！｣

ニコッと笑って私の手を引いてく彼

は？って思うけど

彼とならどこまでも行ける気がする

2人で電車に乗ってお忍びデート

え、楽しすぎる

｢Aって普段電車乗るん？

満員電車とか知らんやろ笑｣

｢廉もでしょ？笑

よくドラマとか映画で庶民役できるよね｣

｢ほんまにきつい、何もわからん｣

そんな少しズレた王子の愚痴を聞きながら

ガタンゴトン、電車に揺られる

｢あ、Aみて！！！｣

窓から海が見えて

あからさまにテンションが上がる廉が可愛い

駅員さんがかろうじて一人いるこじんまりとした駅に降り立った

｢A、行こ！｣

手を繋いできて

海に向かって走る彼と私

うわぁぁぁ、幸。

シーズンじゃないから誰もいない海辺に私たち2人

｢廉、ほらっ！｣

｢は？笑｣

突如始まった水の掛け合い、幸。

｢なぁ、今日どうする｣

｢ん、、戻る？、、｣

2人で顔を見合わせて

駅に向かう私たちはやっぱり、意気地無しの温室育ち

｢｢廉様！A様！ご一緒だったのですか？！｣｣

パニックになってる執事さん2人

いつもいつもすみません

和装でちょっと不貞腐れてる廉くん

｢もっと海にいたかった｣

可愛い。

｢じゃあ、無人島買う？｣

｢え！！！良いやん！｣

2人だけの愛の島は近日購入予定です、幸。

END

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