パーフェクトヒロイン。After Story

あざらし ページ23

〇あざらし
「痛い痛い、、」

「紫耀ー？どしたのー？」

「腰がちょっと、、」

「えー、大丈夫？？？」

腰を擦りながらソファに座る紫耀

時々腰が痛いって言ってたけど

いつもより痛そうで心配になっちゃう。

「それ、とって」

「ん、はい」

いつだったか私が水族館で買ったあざらしのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめて

「はぁ、、」

テンションがめちゃくちゃ低い紫耀くん

不謹慎極まりないけど

可愛すぎる愛おしすぎる

「なんか食べる？」

「ラーメン」

「ふふっ笑

お湯沸かしてくるね」

この可愛さを誰かに共有したすぎて

キッチンの方から盗撮

それを海人に送り付ける

はぁ、尊い。

「紫耀ー、ラーメンどれ食べるの？」

「どれでもいい、」

機嫌悪いことさえ、尊い。

「はい、どうぞどうぞ」

「、ありがと」

私のライブ映像をみながら

ラーメンを食す

「めちゃくちゃ可愛い」

「知ってる」

「他の男に笑顔振りまいてるのイラつく」

自分の名前を客席に見つけて、指さして手を振る私に

紫耀はそう呟く

お前も同じことやってるやんけ、という反論は今日はやめておく。

ごちそうさまのタイミングで

私のソロ曲

「うわぁ、これ嫌」

キラキラしすぎて恥ずかしい

「これ復帰してすぐのライブでしょ？

あんなに病んでたのにな笑」

「うるさいwwww」

弱ってるせいで、いつもより棘のある発言してくる平野くんです、イケメンだから許す

「あ、やばい！見ないで！」

めちゃくちゃあざとい顔でカメラ目線キメてる私！つら！！！

「見る！」

紫耀の目を隠す私の手をよけてにやにやする彼なんだけど

「あ、痛っ、、」

「ばーか！！！」

「んっ、、」

あざらしのぬいぐるみの代わりに

今度は私をぎゅっと抱きしめる

「絶対動かないでねA」

耳元で聴こえる彼の声がくすぐったい

横目でテレビを見ると

眩しいくらいに笑う私

全部全部、紫耀のおかげ。

「動かないけど、キスだけしていい？」

「いいけど、慎重にして」

ゆっくりと唇が重なり合う

楽しい時はもちろんだけど

つらい時だって一緒にいたいと思えるような

そんな関係でいれるように

これからもずっとずっとずっと

彼を愛し続けたい。

「あざらしと私どっちがいい？」

「あざらし」

やっぱり前言撤回です。

END

人生→←Princess

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す