狂 愛

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玲於side




ただいまって家入ったら

おかえりって迎えてくれて

ずっとほしかった生活




「Aちゃーん」


A「ん？…あ、岩田さんだ」


「岩田さん？…え、岩さん？」


A「…臣くんが会いたがってるって、どうしよう」




臣さんに呼ばれてるっていうのも勿論大問題だけど

俺からしたら岩さんとAが連絡先交換してるのも大問題な訳で




「…え、岩さんといつ交換したの？」


A「そんな事今どうでもいいでしょ、ねえ、臣くん呼んでるって、どうしよう…」


「え、どうでもよくないんだけど…」


A「行かない方がいい？」


「行った方がいいんじゃない？」


A「…心配とかしない訳？」


「だから一緒に行く、下で待ってる」




ふーんってなぜか機嫌が悪くなるA

いやいや、俺だって機嫌悪いんだけど？

なんで岩さんとも連絡先交換してる訳？




A「玲於くんって嫉妬とかしないの？」


「…今してるんだけど」


A「えへへ、」


「…なに、うざいよ」


A「ごめん、何に嫉妬した？」


「…いつ？いつ岩さんと？」


A「あー、臣くんと付き合ってすぐの時」




何もないから平気だよ？って

ラインのトーク画面、見してくれて

たしかにほとんど話してないけど

俺からしたら連絡先があるってだけで嫌な訳で




「…浮気とかしたら承知しねえから」


A「自分は浮気しちゃおうよとか誘ってきたくせに？」


「それは、」


A「わかってるから、しないよ」




Aの方が一枚上手って感じ

ああ俺、めちゃくちゃ嫉妬深いじゃん



洗濯機のピーって音が聞こえてパタパタ走ってくA

洗濯物干してるの、ぼーっと眺めながら

今更すげえ不安になってきて



だって1回好きになった男な訳でしょ？

なんなら今も少しは気持ち残ってるはずだし

まだちゃんと別れてないし？



やっぱり私には臣くんだった

とか言って捨てられたら

玲於くんじゃだめみたい

とか言って捨てられたら



すっかりAのやり方で片付けられて

Aの物もAの好みの家具もリビングに置かれて

箸だってコップだって歯ブラシだって２つあるのに

今更捨てられたら…





「…約束、絶対守れよ」


A「うん、玲於くんとこに帰ってくるから」





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