狂愛 (ページ31)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:169,758 hit

31 ページ31

.

玲於side

「A、聞いてる？」

A「…あ、ごめん、なんだっけ？」

「…どうした？」

A「…んー」

言ってみ、って顔覗き込んだら悲しそうな顔してて

臣さんのことかな、ハナさんかな、

A「…ハナさんとね、別れたんだって」

「え、」

A「…嬉しいはずなのに、なんか嬉しくない」

「…ハナさんと別れたの？」

この後Aから聞かされたことは

背筋がぞくっとするような話ばかりで

ハナさんと臣さんが別れたってことは

今浮気してるのはAだけって事になるし

A、なんも悪くねえのに

俺が弱ってるAに近づいて付き合おって言ったのに

このままじゃAが悪者になんじゃん、

「あれ、アイリング取ったの？」

A「…投げられて、欠けて取れちゃって」

「…投げられて欠けて取れた？…は？」

A「玲於くん」

「…ん、」

A「…どこにもいかないで」

「大丈夫、わかってる」

A「ごめんね、私ばっかりわがまま言ってる」

「…知ってる？好きな子のわがままってすげえ可愛いんだよ」

A「だったら私も、わがまま聞いてあげる」

「…じゃあAも約束して、どこにもいかないって」

A「わかった、約束ね、約束」

なあA、知ってる？

口約束ほど信用できないもの、ないんだよ

お前には臣さん、いんじゃん

そんな簡単に約束していいの？

思ってても絶対こんな事、言えなくて

こんな事よりAに対する思いの方が大きくて

先輩裏切ってでも、何をしてでも一緒にいたくて

もう止まらない

「…臣さんが投げたの？」

A「これ？」

「そう、それ」

A「…うん、なんか臣くん変だった」

「変？」

A「豹変…っていうのかな、すごい怖かった」

豹変？

なにされた？って聞いても大丈夫、って

それしか言わなくて

臣さん、Aを選んだからハナさんと別れたんだろ？

だったらなんで怖がらせたりするんだよ、

幸せにする気ないなら俺にちょうだいよ

.