狂愛 (ページ22)

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玲於side

ちょっと危ない幸せの絶頂にいる俺

危ないけど幸せなことは確かで

隼「…にやにやしすぎ」

「ん？…あ、聞きたい？聞きたいよな、」

隼「まあ、」

「俺さ、Aと付き合っちゃった」

隼「そんな事だろうと思ってた…」

「…なんだよ、反応わりいな」

隼「だってさ、おめでとうって言うのも違うじゃん」

「…まあ」

隼「ここからだよ、玲於」

「…わかってるよ」

ここから、か

そうだよな、ここからが大変なんだよな

まず臣さんに会ったら俺どうしていいかわかんねえし

どうか今日一日会いませんように

「…臣さん、」

臣「あ、玲於」

…あーあ、会っちゃったよ

ばれないかな、大丈夫かな、やばい

そんな不安が一斉に押し寄せてくる

できるだけいつも通りに、冷静に

「…あ、えっと、お疲れ様です」

臣「おつかれ」

「…あの、」

臣「ん？」

「…佐々木さんの奥さんってご存知ですか」

臣「…あー、知ってる」

臣さんを前にてんぱって口から出た話題が

佐々木さんの奥さんの話って、馬鹿すぎる、俺

やべえ、次なんて言おう、なんて考えてた時

エレベーターが5階に止まって岩さんが入ってきた

「…岩さん！」

岩「玲於じゃん、なんの話してたの？」

「…えっと、」

臣「…佐々木さんの奥さんの話、だけど」

岩「うわ、だから不機嫌なんだ」

臣「…まじでそれ以上言うな、」

「えっと、あの…」

岩「…振られたんだって、夫が1番だからって」

臣「…だから言うなって、」

岩「玲於っすよ？いいじゃないですか！」

臣「…まあ」

岩「浮気ばっかしてるからいけないんだよ、臣さん」

臣「気づかれなきゃ浮気じゃねえから」

岩「いやいや、浮気は浮気だから」

2人の会話が衝撃すぎてなにも言えない俺

やっぱ佐々木さんの奥さんとそういう関係だったんだ

ばれなきゃ浮気じゃない？

この人だめだ、ほんとにだめだ

でも、玲於ならいっかって言ってくれたのに

俺はそれを裏切る行為をしてる

今になって改めて、とんでもないことしてるんだって

再確認した

臣「…うわ、このエレベーターめっちゃAの匂いする」

岩「Aちゃんって久々に聞いたなー」

心臓止まるかと思った

こんなこと、これから何回もあるんだろうな

そう思うと気が重たい

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