2話 ページ2
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フレバンスはどこもかしこも真っ白で美しかったけど、退屈だ。その美しさを保つために色々と制約もあったし、外で遊ぶよりも母にピアノを習う方が楽しかったのだ。
母が一番得意だったフレバンスの子守唄をその日のうちに習得した時は、とても褒めてくれた。
「Aは大人になったら、きっと誰もが驚くピアニストになれるわね」
「じゃあ大人になったらコンサートを開くから、絶対来てね！」
「ええ、もちろん」
優しくて柔らかな母様が大好きで、母様は私の笑顔が好きだからたくさん笑って見せた。時折帰る父様にピアノを弾いて見せて、家族の時間を過ごすことも。
けれど母の容体は良くならなくて、フレバンスでも評判のDr.トラファルガーのところへ行っても悲しそうな顔をされるばかり。偶然にもその家の子だったラミちゃんと遊んでいたものの、診察中の母様のことが気が気じゃなかった。
「大丈夫よ！お父様はとっても優秀なお医者様で、お兄様だっているもん」
「ラミちゃんのお兄様はお医者さんなの？」
「まだ違うよ、でもお父様もお兄様は天才だって褒めてたわ！だから大丈夫よ」
幼さ故に拙い励ましでも、無いよりはマシだった。
教会に行っているというラミちゃんのお兄様に会うこともなく帰宅。
父様の表情から、全てを察するしかなかった。
「A、母さんはね、もう長くはないんだ」
「……うん」
「だから引っ越そうと思うんだ。ここよりも自然の多い安全な島へ」
母様がかねてより行ってみたいと言っていた、スワロー島へ私達は引っ越した。
お別れのときラミちゃんにはずいぶん泣かれてしまって、全身を使ってしがみつかれたほどだ。けれど私は母様から離れたくなかったし、このフレバンスにも大した思い入れもなかったので、手紙を送ることを約束して私は引っ越した。
ラミちゃんが会う度自慢していた『お兄様』とやらに会うことがなかったのは、少し残念だったかもしれない。
カエルを解剖したり手術の勉強をしたりと、ずいぶん変わり者の天才だったようだから。
行商人の父様曰く、天才は面倒だけど仲良くなって損はないらしいので。
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「うえぇぇえ〜〜ん！！」
「泣くなよ、引っ越しちゃったんだからしょうがないだろ」
「え〜〜ん！！」
「父様でも治せなかった病気なら、長くないんだ。
分かるだろ、ラミ」
「お兄様と、ラミと、あの子で遊びたかったのに〜！！
なんでいっつもいっつもいないの！お兄様のバカ〜！！」
「そっちかよ！！」
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雅榴(プロフ) - 翠さん» 多分、どうせ年内には作るんだよなぁと開き直ったので尻叩きに予告してしまいました笑 休息も兼ねますので多少時間はかかりますが、気長にお待ち頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました！ (2023年2月5日 18時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - 時雨さん» 休息も兼ねてゆっくり考えようかなと思っているので、気長にお待ち頂けると嬉しいです〜！ご期待に添えるよう頑張ります、コメントありがとうございました！ (2023年2月5日 18時) (レス) @page42 id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - なんと…！続編も…！！最高です、本当にありがとうございます。体調にはお気をつけて。また！ (2023年2月5日 16時) (レス) id: 64131c5e87 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 続編ありがとうございます🙏最高です；；！この後どんな展開になるのかとても楽しみです！これからも応援しています。 (2023年2月5日 13時) (レス) @page42 id: dee2fbc24a (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - チックタックさん» ありがたいお言葉をありがとうございます！続編はうっすら考えてはいるものの、そもそも作るかを悩んでいるのでそう言って頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました！ (2023年1月31日 12時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
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