【ONE PIECE】必要ない人間のはずだった【ゾロ】 (ページ27)

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27話ページ27

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二人して目を合わせたまま目を丸くして、一足先に言葉の意味を咀嚼したらしいAがブワッと毛を逆立てる猫のように顔を真っ赤にした。
それに釣られて顔に熱が上がってきた感覚に、咄嗟に立ち上がる。

「ちが！これはっ言葉のあやだ！！！！！」

「ええ、うるさ……」

腹から出した声に胴体の傷が痛んだが、そんなものはどうでも良い。俯いたAの髪から覗く耳は真っ赤で、それが目に入ると同時に目を逸らした。
頭をガシガシ掻いて、何とか言葉を絞り出す。

あ"あクソ、こんなつもりじゃなかった！！

「おれは！……おれは」

ずっと胸に残っていた二つの言葉。
そのどちらも結局はおれを拒絶するもので、深く踏み込むことすら許されない気がした。

出来るなら、可能なら_______

「おまえがくいなのことを引きずってるのは分かってる」

ピクリとAの指が反応した。

「だがな、それを理由におれを拒絶した意味がわからねェ」

「……え？」

「確かにおれを見て思い出すのは分かる_____」

「待って、ゾロくん待って！」

「あ？なんだよ」

「拒絶って何？したことないよ、そんなの！」

…………は？

顔の赤みが引き、今度は心底戸惑った顔でおれを見ている。おれに向けて伸ばしかけた手は途中で止まり、空中で彷徨う。本当に思い当たりがないと言いたげなその顔に、今度は腹の底からの苛立ちが浮かび上がってきた。

「ふざけんな！！おまえ、あの時！」

_______ばいばい、ゾロくん。

_______必要、ない。

しらばっくれんなと叱責しようとして、思い出す。

ずっと心に引っかかっていた言葉のどちらも、おれを明確に突き放したものではなかった。むしろ独り言に近いもので、茫然自失だったこいつが意味を込めて発言する余裕なんか無かった、はず(、、)だ。

それなら何故、おれは拒絶されたと思ったんだ？

「するわけない！！！」

ハッと我に帰る。
目の前でおれを見上げ、目に涙を浮かばせ必死に声を絞り出すAに、目を見開いた。
真っ直ぐ交わる視線に絡みつかれたように身体が固まる。

「私が拒絶されることはあっても、ゾロくんを私が拒絶なんてするわけない！！
くいなちゃんと同じくらい君が大事だもの！！

私が、私は……っ！」

ぼろぼろと溢れて行った涙を反射的に目で追い、くしゃりと顔が歪んだところで何も考えずに肩を掴んで掻き抱いた。