【ONE PIECE】必要ない人間のはずだった【ゾロ】 (ページ18)

今日:73 hit、昨日:50 hit、合計:584,290 hit

18話ページ18

，

思わずドン引きしてしまったが、それはさておき料理は最高だった。昔の友人も一度は食べたいと本気の悔し泣きをしていたが、これは確かに食べなきゃ損だ。

少々突飛なところはあったし、オーナーゼフがキッチンから飛び出して、彼の顔面に蹴り決め込んだ時もドン引きしてしまったが。それはそれ。

「ありがとうございました。とても美味しかったです」

「ならよかった。……一人で旅を？」

「えェ」

「……お気をつけて。
時代が時代だ、何があるか分からない」

控えめにそう言った彼に、フフッと笑いかければまたハートが飛ぶ。元気だなァと思ったところにまたオーナーの蹴りが炸裂した。さ、騒がしい。
ゾロくんは堅物だし、寡黙で女にそこまで興味を示す人ではなかったから、新鮮だ。

「ふふふ、また来ます」

「！待ってるよ〜〜！！お淑やかなレディ〜！！」

「仕事に戻れサンジィ！！」

「何一丁前に女ナンパしてんだ！！」

ますます騒がしくなるバラティエを後にした。
伸びてきた髪を結んであげつつ、次の島へどう行くか考える。そろそろ東の海を抜けて、別の海に行った方が良い段階だ。もうこの辺りでの収穫は望めないだろう。

東の海は最弱の海と呼ばれるくらいなので、駆け出しの海賊か出戻りの海賊くらいしかいない。
海賊の魔の手から逃げるのも最初よりは慣れてきたので、他の海に行きたいところではあるけれど赤い土の大陸(レッドライン)が問題だ。世界政府に許可をもらうのも安くないし、魚人島に行くほどの実力も無い。

「はァ……何処かの船に乗せてもらうしかないかな」

どちらの手を取るにせよ、私個人は不可能だ。
ワノ国のことを調べるついでに得た情報が売れることは多々あったし、なんなら買いにきた人すらいたので貯蓄は問題ないが、世界政府へ渡す金は決して安くない。
その後の旅のことを考えると痛手だ。
まァ、聖地マリージョアを抜けるのだから当然だが。

「あ、ローグタウンに行ってみようかな」

海賊王の処刑台がある島だ。
あれ以来、処刑台が(不謹慎だが)観光地となっているらしく、とても栄えていると聞く。世界会議(レヴェリー)に参加する国王が泊まるようなホテルもあるらしいので、そこなら大陸の向こう側へ渡る予定の商船もありそうだ。

「……ゾロくん、元気かなァ」

私が何をしても、彼にとってはどうでも良いのだろうけれど。