130話 ページ19
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「A、大丈夫？辛かったらすぐ言いなさいよ」
「……うん、ありがとうナミさん」
羅刹町にて、視線の先で磔にされるトノ康さん。
心臓が波打つ感覚にすら苦痛を覚える中で、その光景は毒でしかなかった。
「康イエ様〜〜！！！」
「私は『白舞』の出身です！！」
「康イエ様、よくぞご無事で！！」
柵を挟んでトノ康さんを康イエと呼んで縋るように叫ぶ民衆。しのぶさん達から聞くに、彼はおでんが生きていた頃に大名をしていた人で、ずいぶんと人から慕われた人のようだ。
殴られて血だらけになっても笑ったままのトノ康さんに注目が集まるが、見るべきは集まる敵の戦力。先ほど偵察した際に見かけたX・ドレークやホーキンスさん、ロビンから聞いた忍者らしき人もいる。元々の予定である花魁小紫の葬儀にしては集まり過ぎなくらいだ。
わあわあ騒ぐ人の声が、脳内で反響していっそ吐き気がする。まるでトンネルの中でこだましているようだ。
ロビンに背を撫でられて労られたが、正直笑顔を浮かべるのもやっとだった。
「_______さて！皆の衆！！見よ！麗しき『花の都』！絶景かな、ワノ国！！」
トノ康さんが喋り出して、場の空気が変わる。叫んでいた民衆までも黙り込み、彼の言葉に耳を傾けた。
紡がれる言葉は明らかな将軍オロチへの叛逆の言葉。錦えもんさん達が作り、私達が配り続けた判じ絵の札さえも彼のイタズラと告げた。
それもこれも全て、確かに20年経ってこの国を訪れた錦えもんさん達への、死を持って国を救うための、餞別だった。
_______響く銃声。
数多の弾丸がその体を貫き、きつく縛り付けていた縄さえ解けて落ちてしまうほどの衝撃。
一瞬の静寂の後、場を支配したのは大量の人間による笑い声だった。
「うぅ……っ！」
「A！」
銃声の余韻と怒涛の勢いで雪崩れ込む笑い声。ガンガン痛む頭に思わず耳を塞いでしゃがみ込むと、ロビンが能力を使って手を生やし、更に耳を塞いでくれた。
腹を抱えて涙を流しながら笑うチグハグな光景。紡いでいくべき未来を守ってくれたあの人から目を離してはいけない。しのぶさんがおこぼれ町に起きたSMILEの悲劇について語る声を聞きながら、なんとか顔を上に上げる。
柵を抜けてトノ康さんに縋り付く女の子、おトコちゃんという子が場に現れて、事態は変わる。トノ康さんの娘らしいあの子はトノ康さんを助けようとして将軍オロチに銃を向けられ、それを庇ったのがサンジくんと、ゾロくんだった。
_______ドクンッ。
カハッ、と、声なき声が漏れた。
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雅榴(プロフ) - あやさん» 今作で更に好きになれたなら嬉しいです〜！👏 たくさん楽しんで頂けたなら幸いです。こちらこそ読んで頂きありがとうございました！コメントもありがとうございました！ (2022年12月13日 16時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - この作品を読ませてもらって本当にドキドキとときめきが止まらなかったです！元々ゾロは好きだったのですがこの作品でもっと好きになりました。素敵な作品をありがとうございました✨これからも頑張ってください応援してます！ (2022年12月13日 9時) (レス) @page49 id: 0f7e0fb150 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - 翠さん» たくさんのお言葉ありがとうございます！とても楽しんで頂けたようでとても嬉しいです！長いし文も多いのに最後まで読んで下さってありがとうございました。時折頂けたコメントも嬉しかったしモチベになりました。コメントありがとうございました！(*´∀｀*) (2022年12月3日 20時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - なな姫さん» ありがとうございます〜！楽しんで頂けたなら何よりです！次回もまたONE PIECEかなと思っているので、その時もまたお付き合い頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました〜！ (2022年12月3日 20時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - 長文、何度ものコメント、失礼いたしました。お体にお気をつけて、過ごしていって下さい。今までも、これからも、応援しています！╰(*´︶`*)╯♡ (2022年12月3日 19時) (レス) @page49 id: eb4de4b192 (このIDを非表示/違反報告)
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