113話 ページ2
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どうあがいても、逃げられない状況だったらしい。
ロビンに聞いて意味を理解し、上機嫌なゾロくんに抑えられて抵抗も無意味となったので、大人しく従った。
錦えもんさんに出してもらった着物に身を包み、同心だという方から融通してもらった家へ。目立ち過ぎないよう、花の都の隅の方に位置する家だ。木造のそれは、どこか懐かしい匂いがする。
一旦落ち着いたら奉公先、つまりは働き口を探す必要がある。
ウソップさんのところで働こうかと思ったが、狭いようで広い花の都を手早く調べるなら、別のところの方がいいという結論に。
「別に働かなくとも、多少支援はしてくれるって話だろう」
「外からの目を誤魔化す意味もあるし、外出する理由が欲しいんだよ。……流石に住み込みにはならないようにしたいけれど」
向こうも余裕があるわけではないし、長期滞在ならば金銭の余裕は欲しい。ゾロくん、隙あらばお酒買うだろうし。
一人苦笑しつつ、手早く髪をお団子にまとめて外出の準備を整える。この家に来るまでの道中でかんざしの一つでも買った方が良かったかもしれない。
「じゃあ私ちょっと出てくるね、ゾロくんは」
「ぐがーっ」
「おやすみ三秒……」
相変わらず入眠へのスピードが凄い。
また一つ苦笑をこぼし、音が出来るだけ鳴らないように戸を閉めた。
少し歩いただけで分かる。遠い日の祖国の面影がある町並みや、町人達の彫の浅い顔立ち。私もロビンほどではないけれど、前世に比べれば彫の深い顔立ちをしているから、なんだかとても懐かしい。
ふわりとかおる風の匂いも、軒先から漂う贅沢な食事の匂いも、きゃらきゃら笑う子どもたちの姿も。
私の生きていた時代とは違えど、ふと思い出すには充分なそれらに酔いしれる。
ああ、懐かしい。
「らっしゃい！らっしゃい！いいかんざし入ってるよ！そこな別嬪さんもおひとつどうだい？」
「フフ、お上手ですね。ちょうど一つ欲しかったんです」
「そりゃあいい！オススメはこの紅葉のかんざしだよ、なかなか技物だろう？」
口の上手い店員さんに乗せられて一通り目を通した後、ふと目についた小さな手鏡。並べられる美しいかんざしの隣にポツンと置かれたそれは、淡い桃色の桜柄。どちらかというと控えめな印象を受ける。
けれど、何故だか_______それに、とてつもない既視感を持った。
「……これは？」
「ああ、それかい？それはね」
気付いたときには、その手鏡は私の手にあった。
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雅榴(プロフ) - あやさん» 今作で更に好きになれたなら嬉しいです〜！👏 たくさん楽しんで頂けたなら幸いです。こちらこそ読んで頂きありがとうございました！コメントもありがとうございました！ (2022年12月13日 16時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - この作品を読ませてもらって本当にドキドキとときめきが止まらなかったです！元々ゾロは好きだったのですがこの作品でもっと好きになりました。素敵な作品をありがとうございました✨これからも頑張ってください応援してます！ (2022年12月13日 9時) (レス) @page49 id: 0f7e0fb150 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - 翠さん» たくさんのお言葉ありがとうございます！とても楽しんで頂けたようでとても嬉しいです！長いし文も多いのに最後まで読んで下さってありがとうございました。時折頂けたコメントも嬉しかったしモチベになりました。コメントありがとうございました！(*´∀｀*) (2022年12月3日 20時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - なな姫さん» ありがとうございます〜！楽しんで頂けたなら何よりです！次回もまたONE PIECEかなと思っているので、その時もまたお付き合い頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました〜！ (2022年12月3日 20時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - 長文、何度ものコメント、失礼いたしました。お体にお気をつけて、過ごしていって下さい。今までも、これからも、応援しています！╰(*´︶`*)╯♡ (2022年12月3日 19時) (レス) @page49 id: eb4de4b192 (このIDを非表示/違反報告)
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