四つ葉のくろーばー (ページ16)

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番外編　９歳　２ページ16

「潤くんどうぞ」って呼んでくれた。

後輩
「パパと一緒に座ろうかな」

抱っこして患者さん用の椅子に座った。

わざわざ、白衣を脱いでくれている。

「お願いします。白衣もありがとう」

後輩
「は〜い、もしもしね。お背中からね。」

聴診器が背中にあてられると、うわ〜んって大泣き。

「だいじょうぶ、いたくないでしょ」

そのまま前を向かせるけど、暴れて聴診させない。

後輩
「いやだね。少しだけお手伝いしてもらうよ」

研修医くんが入ってきて、優しく固定してくれた。

胸の聴診は、背中以上に大泣きも大泣き。

口を開けて大泣きしているから、流れで喉を診てくれた。

後輩
「翔先生、喉、真っ赤なんで舌圧子使ってしっかり診ます」

その次はお腹。

もう無理矢理だけど、仕方がない。

後輩
「喉が真っ赤です。多分、お熱もあがってきていますよね」

測り直した体温は、９度5分。

オエってなるぐらい大泣きしていてかわいそうになる。

後輩
「お薬をお出ししますね。シロップがいいですよね」

「うん、シロップならなんとかいけるかな・・・
このまま、坐薬お願いしていいかな」

後輩
「もちろんです。あと、脱水症状はないですけど、
　水分摂取厳しい感じの喉の赤さです。
　どうしましょうか」

「どうしようかな・・・入院させるほどぐったりでもないし、
　でも、発熱すると極端に水分も食事もだめなんだよ」

後輩
「坐薬して、点滴のルートだけとっておうちへ帰りますか。
　翔先生の判断で必要なら点滴するってどうですか。
　つなぐだけなら、先生お一人でも大丈夫かなと思って。
　もちろんこのまま入院されてもいいと思います。
　ルートも先生がとられますか。私と研修医の先生で
　サポートさせてもらいましょうか」

桜と相談する。