番外編 おなかいた ６ ページ38
友「潤ちゃん、寝転んでくれる？
お腹さわらせてね」
ベッドに寝転んでお腹を触診してもらうと、大粒の
涙があふれだした。
だまって、涙をふく。
友「お腹、痛いし気持ちわるし変な感じする？」
潤「うん」
友「がんばってさわらせてくれてありがとう。
潤ちゃん、盲腸って知ってる？」
潤「知ってる。お腹、手術する時ある」
友「そうそう。盲腸じゃないかどうかエコーしていい？」
潤「痛くない？」
友「痛くないよ、すぐ終わるからね。はじめま〜す」
エコーもしてもらった。
「上手だったねえ〜おりこうさん」
友「うん、とっても上手だったよ」
本当は、お尻から便の細菌検査を採取したいし、注射もして
楽にしてやりたいけど、やらせないだろうって思っていると、
友達がやってみようか？って目で合図してくれたから、うなずいた。
友「潤ちゃんそのまま、翔ちゃんとママの方を向いてくれるかな？」
潤「やだ、なに、なにするの？」
友「点滴だけって言ったけど、お熱も高いから注射もやらせてほしい。
それとね、お尻少しだけ綿棒入れてばい菌の検査させて」
潤「・・・先生も翔ちゃんもママもうそつき、みんなでだました。
大嫌い。どうせ、やらないでって言ってもやるんでしょ」
友「うそついてごめん。先生が悪い。だましたもんな」
「翔ちゃんが点滴だけって言ったからね、ごめんな。うそついて」
潤「うるさい、もう知らない」
怒っているけど、言われたとおりに横を向いた。
友「なるべく、早く終わらせるからね。
ズボンずらすよ」
先に細菌検査。
友「少し気持ち悪いけど、力抜いてたらすぐだからね」
さっき、一度離した手をのばしてきたから、つなぎ直して
もう片方の手で背中をさする。
一瞬だけ、んって声をあげた。
友「ひとつ終わりね。消毒するから、冷たいよ、
チクっとするよ、ここだけがんばれ」
筋肉注射だから、痛みが強い。
針を刺した時にいたって声をあげて、薬液が入る時には、
う〜んってうなった。
友「強いよ。一番痛いの終わったよ。ごめんなあ。
後は、点滴だけね。しばらく、水分もご飯もいやだと思うから
助けてもらおうね」
筋注のあとを揉みながら、声をかけてくれた。
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作者名：ばるこひめ | 作成日時：2021年11月21日 6時
