冗談は２次元だけにしてもらえます？ ２【沖田総悟】

第４６話 ページ8

神楽ちゃんは私をかついだまま列車の屋根にひょいと上り、着地した。


「うう、まだ身体がふわっとした感じがする……」

「そんなこと言ってる場合じゃないダロ？ 早く行かないと。私はいちばん後ろの車両からやっつけてくるアル」

「わかった」


神楽ちゃんは屋根をつたって後方へ走っていった。
私は真ん中辺りの車両まで来ると、下に降りて扉をガラッと開けた。


「こっちから来たぞ！」


中には伊東派隊士達が数名いて、こちらを見るや否や刀を抜いて身構えた。私も刀を握り、ふーっと息を吐く。


「倒さなきゃいけないのが真選組の人達だなんて心苦しいけど……護りたいもののため。

和泉A、参る！」


振りきるように言い放ち、隊士達に斬りかかった。



＊



総悟は車両内で伊東派隊士を次々に斬り捨てる。だが、圧倒的な力の差があるとはいえ大人数を相手にするのはさすがに骨が折れる。体力の限界がじわじわと近づいてきた。


「沖田ァァァ！ 死ねェェェ！」


敵が一気に畳み掛けてくる。応戦するも及ばず、背中を斬られてしまった。


「ぐうっ……！」


やけるような激痛が襲う。総悟は体勢を崩し後ずさった。チャンスとばかりににじり寄る敵を前に、総悟はふっと笑みをこぼす。


「お前ら、よく鍛錬してきたな。なかなかいいぜ」


伊東派隊士達が刀を振り上げ、もうだめかと総悟が覚悟を決めた、その時。


「はぁぁぁっ！」


耳慣れた声が聞こえると同時に、隊士達が一度に倒された。

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