第29話 ページ31
「さて……君はいつから剣術を?」
「ほんの数ヶ月前です」
「数ヶ月前? 何かきっかけがあったのかい」
「実は__」
私は伊東さんにわけを話した。
「なるほど。それでいて剣の腕前は沖田君とほぼ同等……たぐいまれな才能を持っているようだ」
伊東さんはメガネをクイッと上げると、ふと思いついたように言った。
「そういえば、持ち帰った武器の中にあれが……和泉君、君は拳銃を使ったことがないだろう」
「け、拳銃ですか? ないですけど……」
「そうか、ならばついて来たまえ」
伊東さんが廊下の奥へと歩き出したので後をついて行く。
そして彼はとある部屋の前で立ち止まり、障子を開けて中に入った。私も続いて入ると、中は整理されてさっぱりとしていた。
「ここは伊東さんのお部屋ですか」
「そうだ。少し待っていてくれ」
伊東さんはたんすの引き出しを開けると上等そうな長方形の木箱を取り出し、私に差し出した。
「調達してきた武器のなかでもかなり高性能な物だ。君なら使いこなせるだろう」
「そんな物を私に?」
「これを刀と一緒に持っていれば、恐れるものは無い。きっと土方君や近藤さんにも負けない戦力になる」
普通に聞き流しそうになったが、土方君というワードが頭に引っかかった。
「それは、私を伊東さん側に引き入れるということですか」
「……なんのことかね」
「近藤さんを暗殺して、真選組を乗っ取るつもりなんでしょう」
伊東さんは私の目をじっと見据えると、こちらに向かって一歩ずつ歩み寄った。
「君は、君がいた世界ではこの世界は漫画の話だと言った。完結が近い、ともね」
「……何が言いたいんですか」
伊東さんをにらみつつ、少しずつ後ずさる。
「その
「もちろん知っています。だからあなた側についてほしいと言うなら、答えはノーです」
気がつけば背中が壁に当たり、私はこれ以上後ろに下がれなくなっていた。
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yunami☆彡(プロフ) - 美穂さん» ご覧頂きありがとうございます!楽しんで頂けてとても嬉しいです♪今年受験生になるので更新の頻度が落ちるかもしれませんが、今後ともこの作品をよろしくお願いします! (2019年2月2日 16時) (レス) id: dcfedc9460 (このIDを非表示/違反報告)
美穂(プロフ) - こんにちは☆凄く面白いです(*^^*)これからの更新楽しみにしてます♪ (2019年2月1日 12時) (レス) id: 8db3d29e8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yunami☆彡 | 作成日時:2018年8月21日 8時