第28話 ページ30
その後はもうやばかった。
将軍様ゲームで、将軍の棒を取りに女子3人が殺到した時、目が血走ってたよね、本当に。殺気すら感じた。片栗虎さんは顔踏まれて気絶しちゃうし、将軍はモザイクかけられてブリーフ買いに走ってっちゃうし。
結局、バイト代はほんのちょっとしかもらえませんでしたとさ。あれだけのことをやらかしたのだから仕方ない。
*
あくる日の午後、私はまた屯所に来た。縁側のそばで、砂埃で道着袴が白く汚れながらも総悟と稽古に励む。
「で、土方さんは、伊東さんをよく思っていないような感じ、ていうか、若干キレてるっぽかったって?」
「ああ。あとで近藤さんと、揉めたらしいでさァ」
「へえ。ま、私は全部、わかってるんだけど、ねっ!」
なんかやたらと会話が読点で途切れるな、と思ったそこのあなた。稽古しながら喋ってるだけなのでどうぞお気になさらず。
「じゃ、伊東先生がこれからどう動くかも、知ってるってわけかィ、っと!」
「そう。だからって敢えて介入するようなことはしないよ」
「教える気はさらさらねェってか。__おっと、噂をすれば」
総悟の視線の先に目をやる。
廊下を歩いてくるのは伊東さん__真選組の参謀・伊東鴨太郎だ。
「やあ、沖田君。稽古に励んでいるようで何よりだ。……おや、真選組に女性がいるとは初耳だ」
伊東さんは私に目を向けてそう言った。
「初めまして。和泉Aです。隊士ではないですが、そよ姫専属の臨時護衛として雇われています」
「そうか。僕はてっきり沖田君が恋人を連れてきたのかと」
「いや別に恋人ってわけじゃ、っと!?」
「いいや間違ってませんぜ、伊東先生。こいつは俺の女でさァ」
と、総悟が突然私を腕の中に引き寄せ、半ば被せ気味に言った。
「ちょっと何言ってるの、違うって……」
「おめーは黙ってろィ。伊東先生、そういうことなんで、こいつに手ェ出したらただじゃ済まねえですぜ」
総悟は不敵な笑みを浮かべる。けれど目が笑っていない。
「随分攻撃的じゃないか。彼女は否定しているようだがね。そうだ、さっき一番隊が困っているようだったよ。君は隊長だろう、早く行ってあげたほうがいい。……ああ安心してくれ、僕は彼女を奪うような真似はしない」
「ったく、手間がかかる連中でィ」
総悟は私から離れ、面倒臭そうにその場を去った。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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yunami☆彡(プロフ) - 美穂さん» ご覧頂きありがとうございます!楽しんで頂けてとても嬉しいです♪今年受験生になるので更新の頻度が落ちるかもしれませんが、今後ともこの作品をよろしくお願いします! (2019年2月2日 16時) (レス) id: dcfedc9460 (このIDを非表示/違反報告)
美穂(プロフ) - こんにちは☆凄く面白いです(*^^*)これからの更新楽しみにしてます♪ (2019年2月1日 12時) (レス) id: 8db3d29e8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yunami☆彡 | 作成日時:2018年8月21日 8時