第19話 ページ21
そしてある日。
「早速姫様に呼ばれたのはいいとして、なんで総悟が一緒にいるの?」
総悟は何でもないといった風に答える。
「近藤さんにしばらくAについててやれって言われたのもあるが、何しろ俺も姫様に呼ばれたもんでな」
「はあ……私達二人を揃ってお呼び出しだなんて、姫様も何を考えてるんだか」
そう言いながら私達は六転舞蔵さんの後について江戸城の一室にやってきた。
「姫様、お二人がいらっしゃいましたぞ」
ふすまの向こうから「どうぞお入り下さい」と可愛らしい声が聞こえ、総悟と私は中に入った。
「沖田さん、Aさん、お待ちしていました」
「こんにちは」
「ここは姫様のお部屋ですか?」
「はい。この部屋は私専用の居間のようなもので、寝室は他にあります」
はあ……やっぱ将軍家ってすごいんだな。自室が二部屋以上もあるとは。
今まで漫画やアニメでしか見たことのない上流階級のお部屋事情にただただ驚く。
「それで、なぜ俺達を一緒に呼びなさったんですかィ」
総悟がたずねると、そよ姫はニコニコと笑って答える。
「お二人に、私と一緒に町のグルメ巡りをしていただきたいんです!」
「グルメ巡り?」
予想外のお願いに、総悟と私はきょとんとした。
「しかし、姫様は普段から豪華なお料理を召し上がっていらっしゃるのでは」
そよ姫は頷き、ですが、と続ける。
「かぶき町には、お料理が美味しいと評判のレストランがたくさんあると聞きました。だから私もそれらを味わってみたいんです」
「ああ、なるほど」
「何がなるほどなの?」
総悟が一人で納得した様子を見せたので、私はそっと聞いてみた。
「姫様はよくチャイナと遊んでいる。そのうちに庶民の食事に興味をもった。だが一緒に何か食べに行くとなると、アイツがブラックホールの如く食いまくるから店に申し訳無いと思ったんだろ」
「ああ、そういう事ね」
そよ姫もそよ姫で、神楽ちゃんの大ぐらいにびっくりしたんだね。
「じゃあ俺うまい店知ってるんでそこに行きやしょう」
「はい!」
私がうんと言うよりも前に、そよ姫が元気よく賛同した。
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- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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yunami☆彡(プロフ) - 美穂さん» ご覧頂きありがとうございます!楽しんで頂けてとても嬉しいです♪今年受験生になるので更新の頻度が落ちるかもしれませんが、今後ともこの作品をよろしくお願いします! (2019年2月2日 16時) (レス) id: dcfedc9460 (このIDを非表示/違反報告)
美穂(プロフ) - こんにちは☆凄く面白いです(*^^*)これからの更新楽しみにしてます♪ (2019年2月1日 12時) (レス) id: 8db3d29e8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yunami☆彡 | 作成日時:2018年8月21日 8時